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飲食店の「客席稼働率」を上げるために行った一例

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飲食店の皆さんは、お客様を一日に何回転させるか、ということはよく意識されています。ランチタイムが11:00~14:00だったとして、11:00~と12:30~と満席が2回あればランチタイムの売上は単純に倍となります。

このようにお客様の回転率を高めることは非常に重要ですが、この時に「本当に満席で2回転したのか」等、もっと詳細に検討する必要があります。飲食店の売上をUpさせる相談でよく言われるのが「今日も昼は満席でした」という店主のイメージの言葉です。

どういうことかというと、カウンター8席のうち、お客様4名様+それぞれ横の席に荷物、や、2名卓のテーブルに1名のお客様、4名卓に2~3名のお客様など「満席ではないのに満席のような雰囲気」を店主は「今日も満席でした」と表現されています。

重要なのは「本当に満席だった」のか、ということを常に意識することです。店内が狭い、造り的に不可能、雰囲気を最優先する、などお店によっていろんな条件がありますので一概には言えませんが、「客席稼働率」を上げる為に行った一つの例を挙げます。


あるレストランは、カウンター10席と4名様テーブル12卓のレイアウトになっていました。ランチタイムはほぼ「イメージ上の満席」です。これで売り上げをどのように上げていくか、の相談でした。

ランチタイムをチェックさせて頂いた時、初日から問題点に気づきました。4名卓に2名様掛けはもちろん、カウンターがいっぱいの時には1名様でもご利用されていたのです。その週を通してチェックしましたが、毎日同様でした。店主のイメージでは「毎日満席」ですが、実際は「使われていない客席」が非常に多く、そこからは売り上げも利益も生まれていません。

このレストランでの改善点は「お客様の回転率」ではなく「客席稼働率」を意識し、レイアウト変更することでした。まず、4名卓を出来るだけ2名卓に変更し、仮に1名様でテーブルご利用の場合でも「デッドシート」は3→1に減らしました。また、2名卓を横に並べることにより、4,6,8名様などにも随時変形できるように配置を変更しました。

併せて、これまでは空いている時間帯は「お好きなところへどうぞ」とご案内していた点を「こちらへどうぞ」とすべてスタッフ主導で案内する方法にし、上記の 4,6,8名卓が作りやすい状態を残すように変更です。

また、カウンター席の下には荷物置き用の小さなカゴ、さらには大きな荷物をお持ちの方用にレジ横での簡易クロークスペースなど、できるだけ「すべての席にお客様」をイメージした改善を行いました。

さらに店内の配置・写真を一枚のボードにまとめ「お一人様でもお荷物が多い方でも気軽にご利用頂けます」という店内PRをお店前に掲示、お客様のご不安点を先に払拭するように手を打ちました。これまで躊躇されていた層にもアピールです。

さらには「一人でも座れそうだな」と外からわかるように、通りに面したガラス面に貼ってあった掲示物を全て剥がし、中が見えるようにしました(これに関しては下の別記事をご覧ください)


これにより、このレストランのランチタイムの売上は約20%程伸びました。物理的にかかった費用は(改装などに比べて)安く、すぐに元が取れる伸び率です。皆さんも一度「客席稼働率」を意識し、「イメージでの満席」ではなく「本当に各席がほぼ埋まっている満席」になっているか精査してみましょう。


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