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接客業で意識したい「パーキンソンの法則」・・・ 改善は成功した後が重要

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 私が関わる宿泊業や飲食業では、日々さまざまな「改善」が行われています。オペレーション改善、清掃導線の見直し、備品配置変更、発注方法の最適化、配膳効率化、シフト調整、マニュアル整備などなど。現場では大小さまざまな改善が日々続いています。私自身も、以前所属していたホテル専門コンサル会社時代に学んだ様々な改善手法を、現在の現場アドバイスにも活用しています。

 改善そのものは非常に大切です。ただ、接客業の現場を長く見ていると、「改善が成功した後」に、少しもったいない状態になるケースを時々見かけます。それは、「改善できたこと」で満足してしまい、その後に生まれた時間や資金の余裕を、どう使うかまで設計されていないケースです。

 ここで意識すると役立つのが、「パーキンソンの法則」です。パーキンソンの法則には、代表的なものとして次の2つがあります。


第一の法則:「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」

第二の法則:「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」


 少し難しく見えるかもしれませんが、接客業の現場に置き換えると、とても分かりやすい現象です。例えば、改善によって以前より作業時間に余裕ができたとします。本来であれば、その空いた時間を、

・接客品質向上
・清掃品質向上
・お客様への声掛け強化
・新人教育
・館内チェック強化
・口コミ分析
・新たなサービスづくり

など、新たな「価値向上」に使えれば理想です。

 しかし、使い道を明確にしないまま放置すると、人は自然とその余白を埋め始めます。

・以前は10分で終わっていた作業が、気づけば12分、15分とかかるようになる。
・必要以上の確認作業が増える。
・ルールが複雑化する。
・資金余裕ができたため、以前なら意識していた原価管理が少しずつ緩くなる。
・「なんとなく」の時間や経費が増えていく。

 これは新たな価値への投資ではなく、改善対象ではなかった部分が自然と膨張し、その余裕を食いつぶしている状態です。

 これは、接客業の現場では非常によく起きることです。つまり、改善によって生まれた余裕は、意識しなければ別のムダに変化していく、ということです。だからこそ、改善は「効率化して終わり」ではありません。


 改善とは、「ムダを省き、余裕を生み、その余裕を新たな価値へ変換するところまで」が本来セットです。改善の本質は単なる効率化ではなく、「生まれた余力を、より高い価値へ使う」という考え方が重要です。
 
 接客業は、人が価値を生み出す仕事です。そのため、改善によって生まれた余裕を、単なる“空き時間”で終わらせるのか、それとも“お客様満足向上”へ変換できるのかで、お宿やお店の未来は大きく変わっていきます。改善後にこそ、「その余裕を何に使うのか」を考える。そこまで含めての、改善です。

 余談ですが、私は20年ほど前にホテルオペレーションを徹底的に効率化するコンサル会社に勤めていました。導入が決まると、コンサルスタッフ10数人でホテルに泊まりこみ、人やモノ、動線をストップウォッチで細かく計測し、徹底的な効率化を図っていました。確かに物理的・数値的に大きな成果は出ましたが、それに反してスタッフさんやホテルとしてのホスピタリティに大きな反動が出ました。現場の最先端に「人」がいる接客業では、数値的な改善だけを意識していると別の部分で大きなひずみが発生します。私が各種改善を担当している現場では、改善とホスピタリティ、モノとヒト、そのバランスをとることが非常に重要だと考えて動いています。

 改善時に意識するとよい「ECRS」に関しては、こちらのブログを参考にしてみてください。

■ECRS ・・・ 事業や業務、そして自分の生き方も改善/改良する:株式会社ディライティングオール

https://delighting.co.jp/blog/ecrs/



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