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カスタマーハラスメント/カスハラ ・・・ 客観的に状況判断する意識

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先日TV番組でカスタマーハラスメント(通称カスハラ)が取り上げられたことで、SNS上でもこの話題に多くの方が触れられています。このカスハラに関して、経営者やマネージャー、リーダーの立場からどのように対応すべきか考えてみましょう。


最も重要な点は「そのお客様がおっしゃっていることは、自社の手落ちによる本当のクレームなのか/たんなる”いちゃもん”なのか」を見極めることです。


私たちも何度もクレーム対応を行ってきましたが、この見極めは実はかなり難しいものです。その時のお客様の勢いに押されてしまうこともよくあります。また相手の感情に合わせて自分の感情も高ぶってしまうこともあります。

この感情をいかに抑え、そしてお客様と自分自身をいかに客観的に見ることができるか、それを意識しましょう。



私たちはクレーム対応をする時、例えばサザエさんのカツオの脳内に時々登場する「良いカツオと悪いカツオ」のように、頭の後ろで別の自分からアドバイスを貰う姿を想像しています。表現方法は難しいですが、クレームを受けている自分の身体はお客様の目の前に置いて、自身の意識は少し離れたところからこの状況を客観的に見るイメージです。


以前私が総支配人を務めたホテルで、2泊3日のお客様に毎日2時間以上座敷で説教をされたことがありました。スタッフたちの対応が悪いというクレームで、2時間正座しっぱなしです。ただ、スタッフたちがそのような対応をすることは考えられずその内容が”いちゃもん”と判断し、断固としてその話には妥協しませんでした。その時もずっと別の自分が客観的に見守っているイメージで対応していました。


最終的にはその方たちが根負けして何もなく終えることができました。後日、近隣ホテルとの会合でこの話をしたところ同じような被害(料金割引・優待などの対応)を受けているところが2件ありました。



この件では「普段のスタッフたちの行動・働き方」を思い出し、このお客様のおっしゃっていることの整合性を考え、お客様の言い分よりもスタッフを信じる判断をしました。


経営者・マネージャー・リーダーはお客様クレームの矢面に立つことが多く、その勢いや感情に押されることもよくありますが、客観的に判断するイメージを忘れず相手の言うことを鵜呑みにしないよう心がけましょう。


こちらに落ち度がある本当のクレームではない、いわゆる「クレーマー」はお客様ではありません。スタッフたちが安心して働けるよう、マネージャークラスの人たちはこのイメージを常に意識してください。



余談ですが、私たちはクレーム対応の時には相手にわからないようICレコーダーやスマホで録音するようにしています。アップルウォッチなどスマートウォッチは特に便利です。時に相手が「この状況や写真をネットにばらまく」など言われることがありますが、その際に録音していること・警察に提出することを伝えるとほぼ引き下がります。またスタッフたちには「身の危険を感じた場合は、躊躇することなく、また上司の判断を仰ぐことなく警察に電話してよい」と伝えています。その言葉や許可だけでも、スタッフたちにとっては大きな安心感になっています。




過去に当社ブログに掲載した、クレームに関する記事です。よろしければこちらもご参照下さい。



【「お客様は神様」ではありません】
https://delighting.co.jp/blog/customers-attitude/



【あえてシステマチックな接客スタイルを創り上げた例】
https://delighting.co.jp/blog/systematic/



【お客様も店員さんも気持ちの良いお店にする一例】
https://delighting.co.jp/blog/signboard/






Image by Pete Linforth from Pixabay

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