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ニーズ/ウォンツ/デマンド・・・お客様や自分の心にある欲求を区別しましょう

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よく「ニーズをつかむ」「ニーズはあるのか」という言葉を聞きます。皆さんは、この「ニーズ」の意味がわかりますか?わかると答えた方は「ニーズ」と「ウォンツ」、さらには「デマンド」の違いがはっきりと説明できますか?お客様が持つこの欲求三種類へのアプローチは大きく異なります。また自己成長や自己改善において「自分自身に今必要なものは何なのか?」「足りないものは何なのか?」をクリアにすることにも役立ちます。ぜひこの三つの違いを明確に判断できるようになりましょう。



■ ニーズ ・・・ お客様が本当に欲しい・やりたい真意や目的


● ウォンツ ・・・ ニーズを満たすための手段


◎ デマンド ・・・ 特定の銘柄など、最終的に選択するもの・こと。その行動。



難しい言葉で説明するより、いくつか例を挙げるとわかりやすいかと思います。



■「のどが渇いた。のどの渇きをどうにかしたい」という気持ちが、ニーズです。

●「のどが渇いたから、何か飲み物を買いに行こう」という気持ち、欲求がウォンツです。
 この段階で、いくつかの商品の選択肢が出てきます。

◎「この前宣伝していた新製品のジュースを買おう」という実際の行動がデマンドです。



■「通勤にはどうしても車が必要で、それがなければ就職できない」のが、ニーズです。

●「車が必要だけど、通勤や家族にはあのタイプの車が便利そうだ」など、欲求の感情がウォンツです。
 この段階で、いくつかの車の具体的な選択肢が出てきます。

◎「せっかくだから少し無理してでもあのカッコいい車を買おう」が、デマンドです。



■「電気」「水道」「ガス」は生活にどうしても必要なので、ニーズです。

●「会社の近くに引っ越して、通勤にも買い物にも便利な場所を探そう」がウォンツです。
 この段階で、具体的な物件候補が挙がってきます。

◎ 「この近辺なら、あの景色の良さげなマンションの角部屋を借りよう」がデマンドです。



こう考えていくと、ホテル・旅館・レストランはお客様のウォンツやデマンドを実現していく業界だとわかります。

例えば毎日の食事は必要なのでニーズですが、ホテルやレストランで食べる必要はありません。それをわざわざ来て頂くのはお客様のウォンツ~デマンドの行為です。

また、ご結婚予定の新郎新婦にとって多くの場合は「披露宴をあげる」ことは「絶対・必須」ではない為、その相談に来られるのはお客様のウォンツ(いくつかの候補を回られている最中)で、さらに自社会場を選んで頂くのはデマンドです。
*ただ、人間関係上絶対に披露宴が必要、という方も多くいらっしゃいますので、その場合はお客様のニーズです。

多くの新郎新婦の心の底には「両親に幸せな姿を見せて恩返ししたい」「友達にこれからの家族を紹介したい」「人生の旅立ちをしっかりと刻みたい」というニーズがあります。そのニーズを実現する方法の一つとして、披露宴という選択肢のウォンツがあります。(このニーズを満たすためには、披露宴以外の選択肢もあり得ます。)さらにその先に、自社を選んでいただくデマンドがあります。


ご来館される新郎新婦に対して勘違いしてしまうのは、「他の会場がライバル」と限定してしまうことです。新郎新婦のニーズが上記の様なものであった場合、それを実現させるのは披露宴には限りません。いろんな方法があるはずです。他社との違いばかりではなく、なぜ披露宴をした方がいいのか、なぜそれが当会場だといいのか、をニーズに沿って丁寧にご説明をすることで、お客様のウォンツやデマンドを満たしていくことが出来ます。

また、お客様が自社会場に決めて頂き、ご宴会や披露宴の相談をされる時に「会場に花を飾りたい」「音楽を流したい」「料理を豪華にしたい」という話をされたとします。打ち合わせではそのウォンツを満たし、デマンドにすることで付帯売上を上げていけます。お客様のウォンツやデマンドを確実に把握することは商談上も非常に重要です。

ただ予算が決まっている場合、そのウォンツ通りに商談を進めると「金額が高くなります」「費用が足りません」などの回答に終始してしまいます。ここで「会場に花を飾りたい」気持ちの根本であるニーズが、「亡くなったおばあちゃんが好きだったから、おばあちゃんもここにいて欲しい」であれば、「お花は無理でもおばあちゃんが好きだったものを持ち込んで飾りませんか?」等、お客様のウォンツを満たす別のものを提案することが出来ます。

「お客様のニーズに応える」という言葉の真意はここにあります。ウォンツをたくさん聞いて、その根底にあるニーズを把握し、こちらから新たなウォンツも提案し、お客様のデマンドにできるようになる、それがすべてのビジネスマンの目指すべき姿です。



自己成長や自分の目標においても、このニーズ/ウォンツ/デマンドを区別することは非常に有効です。「医者になりたいなぁ」という夢があったとします。それがニーズなのかウォンツなのかデマンドなのか、上記例を参考にして自分自身が納得できる説明が出来るか考えてみましょう。

例えば、医者になりたいという気持ちの「ニーズ」が「苦しんでいる人たちを助けたい」というものであれば、「医者になる」「そのために○○大学へ行く」という部分は「ウォンツ」「デマンド」であり、たとえ医者になれなくても医療関係や別のことでその自分のニーズを満たすことが出来るかもしれません。

また「TOEICで900点取りたい」という気持ちは「ウォンツ」であり、本当の自分の「ニーズ」は「たくさんの海外の人たちと交流したい」であれば、TOEIC勉強しているより留学した方がいい、という別の方法(デマンド)を見つけ出すことが出来ます。

目標は大事です。ただ「○○になるために、あの大学に入りたい」というウォンツやデマンドではなく「自分はこうありたい」というニーズを自分自身の中でクリアにし、それを達成するためにウォンツ・デマンドを見つけていきましょう。


ご参考までに、ニーズ・ウォンツ・デマンドの違いを表にまとめておきます。


※ ウォンツ・デマンドの範囲は、サイトによっては「コトラーとドラッカーでは解釈が微妙に違う」など、様々な見方があります。当社では、接客業の新人スタッフでもわかりやすい分類で取り上げています。

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