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ローカルフィット戦略・・・自社のエリアに合った商品・サービス、そして戦略ですか?

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以前「ガイアの夜明け」でシャープ密着取材があり、ローカルフィット戦略でV字回復していることが取り上げられていました。以前からある手法ですが、私たちもコンサルティングの現場で「本社主導」or「現場主導」という問題に直面することもあり、このエリアマーケティング/ローカルフィット戦略を改めて取り上げたいと思います。


エリアマーケティング /ローカルフィット戦略 とも、言葉の意味はなんとなくお分かりになるかと思います。エリアマーケティングとは、自社が対象とするエリアの市場ニーズ・ウォンツ・デマンドを洗い出し、分析・訴求することです。(ニーズとウォンツ、デマンドは別物です。以前のコラムで取り上げていますので、お分かりにならない方はぜひご確認下さい。https://delighting.co.jp/blog/needs-wants/


ローカルフィット戦略とは、自社が対象とするエリアの市場ニーズ・ウォンツ・デマンドに対し、それに合った商品やサービスを提供することです。この言葉を説明しただけでは「当たり前」「やっている」と思われる方も多いでしょう。しかしそのほとんどが「やっているつもり」レベルです。

シャープがやっているローカルフィット戦略は、東南アジアの各国やその宗教などに合わせて商品の性能を調整したり、プログラミングを変更したり、細かに「ローカルごとにフィット」させた製品を提供しています。皆さんは「エリアマーケティング」や「ローカルフィット戦略」をどのようにやっているのかをほかの人に詳細に説明出来ますか?出来なければ「やっているつもり」レベルです。


ここからは今私たちが関わっている内容ですので、少し内容を変更してお伝えします。

あるホテルグループでは「本社主導」でグループ全体同じ戦略を行おうとしています。その一つのホテルでは現状その影響で大幅な売り上げ減になっており、今後は私たちの判断である程度「現場主導」の戦略に戻そうとしています。これは本社が「エリアマーケティング」を行っていないことや、地域ごとの特性を把握していないと判断した為です。

全国一律でプライシングすることやマーケティング資料を統一することは「コストカット」「管理の簡略化」などの面では評価出来ます。これは無駄なことではなく、ある程度は行うべきことです。ただそれを「統一しすぎること」は、そのプライシングやPR戦略がエリアマーケットに合っていなければ、消費者は一気に離れていきます。

例えば「10,000円でやってほしい」という本社からの指示根拠が「他社の安いご宴会に満足できないある一定の富裕層が存在し、そこに対応出来ているホテルがこのエリアにはない」というエリアマーケティングの結果であれば、みな納得して取り組むことが出来ます。

また極端な例えですが「このエリアには菜食主義の方が非常に多いがその専用メニューを持ったホテルはない。当社で開発して10,000円で売ろう。」というローカルフィット戦略に基づく提案であれば、こちらもみな納得して取り組み出来ます。

ただ本社から「○○円の値段でやってほしい」と要望がきた時、その根拠を尋ねたり近隣競合他社の現状を聞いても答えられなければ「本社が欲しい金額」を言ってきているだけです。

ビジネスで期待される成果を上げる為には、次の質問をされた時すぐに答えられるレベルまで自社を精査・改善しましょう。

「自社のマーケットはどこか」
「どのようなニーズとウォンツ、デマンドがあるか」
「ローカルフィットした商品・サービスを持っているか」
「訴求する手段は」



画像:魅力的なフリー画像 Pixabay https://pixabay.com/

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