21.12.16
再生・改善時に私たちが使う言葉/Key Word
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私たちが宿泊施設や飲食店の再生・各種改善を担当する際、ほぼ決まって使う言葉があります。共通してこれらの言葉を使うということは、すなわちこれができていない宿・店が多い、ということです。順不同で、思いつくままに書いてみます。皆さんの宿・店にもぜひ当てはめてみてください。
■ 見慣れて見えなくなるものがある
いろんな宿や店の口コミを見ると「なぜそんなことを指摘されているの?」と思うクレームを見かけます。汚れていたり壊れていたり、一目でわかりそうなことも多くあります。これはその宿や店のスタッフレベルが低いのではなく、その現状に慣れてしまっているからです。(もちろん、レベルが低い場合もあり)
私たちも 慣れて当たり前になっていること・見慣れて見えなくなっているもの がたくさんあるはずです。そして、それに気づいていないだけです。それを自覚し、お客様におかしいと思われている箇所はないか、あらためて見直してみましょう。
■ 伝わらない言葉は意味がない
これは私自身の反省でもありますが、20年ほど前コンサルティングファームに転職した際、「かっこいい英単語」にたくさん出会いました。これを仕事で使ってみたくてたまらず、いろんな取引先で得意げに使いまくっていたことがあります。一般の方々には当然伝わらず、そのため改善の成果も全く上がらず・・・ その時初めて「伝わらない言葉は意味がない」と気づきました。今でも恥ずかしく思います。
言葉の意味を理解してもらい成果に繋げる、それがコンサルタントだけでなく上司や先輩の役割です。自身の責務をきちんと自覚していれば、この様な勘違いは起きませんでした。お恥ずかしい限りです。ただし、部下や後輩の教育面であえて専門用語を使うのはもちろんアリです。
■ 一日二毛作
一般的に、ホテルは宿泊料金が主な収入源になります。そこに夜のご宴会や週末の婚礼などが加わる宿も。この「一日二毛作」は、平日昼間に売れる物はないか考えましょう、という意味です。
MICEなど大規模なことばかりでなく、今の時代ならデイユースやワーケーションも当てはまります。アパホテルは積極的にデイユースを行っているので、客室稼働率100%以上という一見よくわからない数値が出たりします。空いている時間・空間はお金にならない、だったら売る工夫を。そんな意識を「一日二毛作」で考えましょう。
■ 100-1=0 / 2×2=5
この数式の詳細は、別ページにまとめています。
サービスに携わる人が必ず知っておくべき公式
■ 全レス・即レス・オリレス
この言葉の詳細は、別ページにまとめています。
【全レス・即レス・オリレス】・・・ 口コミ返信の鉄則
■ 知られていないと選ばれない
これ、当たり前のことなんです。ただ、この当たり前が意外と難しい。Web、SNS、チラシ・・・ 様々な方法で知名度を上げようと皆さん努力されます。ただ、上がらない。知られていないと選ばれない のです。そのうち、ネットでPRを続けていることで「全世界に発信している」「無料でPRできている」と勘違いし、妥協し始めます。意識的に探さなければ、自社のネット発信なんて誰も気づいてくれません。知られるように工夫しましょう。
■ 顧客総入替
現顧客が本当に自社顧客として相応しいのか?今の顧客セグメントは本当に正しいのか?自社のポテンシャルを最大限に発揮した場合、一人残らずお客様が入れ替わり、単価が大幅にアップするかもしれない、そんな仮定・検討を「顧客総入替」という言葉に置き換えています。
■「今まで何も起こっていない」は過去結果であり、未来保証でも根拠でもない。
改善先の衛生指導などで、「今まで何も起こっていないから大丈夫」「だから変えなくてよい」と言われることは珍しくありません。果たして、それは今後の安全根拠になるのでしょうか?衛生に限らず、リスクヘッジする際に「今まで何も起こっていない」は、なんの保証にも根拠にもなりません。ダメな場合を想定し、改善していきます。「今まで~」が頭に浮かんだ際に、このことを思い出してください。
ざっと思い出した言葉を書き出してみました。まだまだあるはずです。どこの宿・店でも同様のことを改善しています。皆さんも参考にされて下さい。
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