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その言い訳は、他の人にも堂々と言えることですか

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何度か取り上げましたが、事業再生先のホテルや旅館、飲食店などでは「出来なかった言い訳」をよく聞きます。


天候、経済、景気、消費動向・・・いろいろな理由を聞きます。


その中で言われていることが「本当に仕方がない理由・原因」なのか、それとも「その人の言い訳」なのか。皆さんはどうやって区別・判断していますか?



あるホテルの事業再生を担当した時です。その地域はカニが名物でしたが、その年は大変な不漁で、その日のお客様分でさえ仕入れにも窮するほどでした。


ある日、どうしてもその日のお客様分に必要な量を仕入れることが出来ませんでした。数日前の台風で漁が行われておらず、水揚げそのものがストップしていたのです。


その為、カニを楽しみにしてこられたお客様には状況を説明し、地場の和牛や他の海鮮をお楽しみ頂きました。


お客様方も「この天候じゃ仕方ないね。逆にカニが冷凍ものじゃないと証明できたね。」と、ご自身たちで笑いに変えてご滞在を楽しんで頂けました。



また別の日、ある仕入担当の方が「忙しくて注文ファクスを流し忘れた」ためにカニが足りなくなったことがありました。


この方はひたすら「忙しくて」という言葉を何度も何度も言われました。果たして、この言葉を聞いてお客様は笑って許して頂けるでしょうか?まず、絶対に無理でしょう。


この時は近隣の旅館さんから分けて頂けたので、最終的には大きな問題になりませんでした。



この話を例にあげると「こんな言い訳通用しないだろ」と笑われます。


しかし、私たちはレベルの差はあれ、このような言い訳をしています.


私たちコンサルタントは、自分の言っていることは「正しい」のか、それとも「言い訳」なのか、それを判断する一つの基準を持っています。



それは「その理由を目の前の人以外にも言えるか」です。


例えば依頼先の社長から「〇月〇日までにお客様用の〇〇という企画を作ってくれ」と頼まれたとします。


そしてそれが出来なかった時、その理由や原因を「社長に言い訳」するのか、それともそれを待って頂いている「お客様に説明できる」のか、それが「言い訳」と「本当の理由・原因」の違いです。


「忙しくて時間が足りなかった」というのは目の前の依頼者である社長にはなんとなく「言い訳」できても、その先のお客様には「説明」できません。


大きな災害などが原因であれば、社長だけでなくその先のお客様にも「説明」できます。



「言い訳」は怒られたくない気持ちからくる「焦った自己保身」です。「説明」は落ち着いて状況を判断している「平常心での事実把握」です。


あなたが叱られたり怒られたりした時、いまから言おうとしている言葉は、目の前の人、さらにその先にいるお客様や関係者にそのまま言えるか、一度飲み込んで考えてみましょう。


だれにでも堂々と言える言葉以外は、全部「言い訳」です。


画像:魅力的なフリー画像 Pixabay https://pixabay.com/

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