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MQL/SQL・・・本社と現場が噛み合わないマーケティング視点の違い

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 コンサルタントの現場ではもちろん、ホテル現場でMGRとして働いていた時など、本社(戦略関係)と現場の意識のズレをいつも感じています。

 経営者や本社スタッフからは「トレンドやマーケティング、また売上や利益のことなどわかってくれない」という言葉を聞きます。現場スタッフからは「売上の数字だけを見て判断するので、机上の空論だ」という言葉を聞きます。経験や立場的に、どちらもよくわかります。両方を経験した人であれば、妥協点を見出したり融通をきかせることが出来ます。しかし一方しか経験がない人は、この意見・感想は仕方がないことです。


 なぜこのような意識の差が生じるのか、今回はそれを集客やマーケティングの違いで説明します。説明上、戦略を立てる部署やスタッフを「本社」、店舗や現場で働く部署やスタッフを「現場」と表現します。 

 主に本社が担当するのは、「いまは顧客ではない人たち/市場をどのように自社の顧客にしていくのか」という点です。これは「リードジェネレーション(Lead Generation)」と呼ばれます。以前のコラム「マーケティングファネル」でも取り上げましたが、リードとは見込み客のことで、リードジェネレーションとは見込み客を獲得することを指します。

 グループ企業の本社であれば、例えば「Webを覗いてみた」「目についたパンフレットを持ち帰ってみた」などの「ビジター(Visitor)」と呼ばれるレベルの人たちを、グループ企業全体や各支社・店舗に興味を持ってもらえるレベルまで引き上げることを一番の目的としています。そしてこの段階の見込み客を「MQL(Marketing Qualified Lead)」と表します。マーケティングの対象として価値のある見込み客、というような意味です。


 それに対し、現場が担当するのは「顧客になりそうな人たちや市場に対して、できるだけ直接的にアプローチしていく」点です。これは「リードナーチャリング (Lead Nurturing)」と呼ばれます。簡単に言えば見込み客の育成です。見込み客から顧客へと育てていくイメージです。この段階の見込み客を「SQL (Sales Qualified Lead)」と表します。セールスの対象として価値のある見込み客、というような意味です。現場はこのSQLに対して提案をする機会 (Opportunity)を経て、顧客(Customer)になっていく過程を担当しています。


 簡単に説明しましたが、まず理解すべき点は本社と現場が対象とするLeadが異なっているということです。MQLとSQLに対するアプローチは全く違います。そのためにそのどちらかの経験しかない人は、もう一方の戦略が理解できないことが多くあります。

 それを踏まえて「本社から現場へ」「現場から本社へ」と意見交換する場合には、決定事項だけではなく、その判断理由やバックグラウンドを追加説明する必要があります。お互いの仕事のフィールドが違うので、ただ「決定事項を伝える」「不満を伝える」のではなんら意思疎通は出来ません。必ず理由や根拠を伝える必要があります。


 添付している図は、前回のマーケティングファネルで使用した図面に今回の内容を分かりやすくするために少し修正したものです。自分が担当している部署や仕事の立ち位置がどのあたりになるのかを把握し、その上で相手にどう伝えるのか考えてみましょう。

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Marketing Strategy


WRITER

Director