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「サービスに使える枠」を決めていますか?

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宿や店舗の事業再生・経営改善の担当時、ほぼ共通して直面するのが「経営者の人の良さ」です。もちろん誉め言葉であり、嫌味ではありません。「お客様に楽しんでもらいたい」と、本気で思っている素敵な方ばかりです。

この方たちは、結構頻繁に「これサービス!」と、お客様に無料の飲み物や食べ物、お土産などを提供されます。お客様は喜ばれますし、提供する宿側も幸せな気持ちになります。
(*今回のコラムの中では、サービスという単語は「無料の提供物」という意味で用います)

ただ、そこが問題なんです。誤解のないようにお伝えしますが、それ自体を否定しているのではありません。ただ、問題は「誰にでも際限なくサービスされていること」です。当然ながら、サービスにも原価は掛かっています。あるお宿の経営改善時には、利益の数割はこれで消えているのではないか???と、驚いて精査したこともありました。

そこで私たちは経営改善時に「サービスに使える枠」を決めます。宿・店が「毎月〇万円利益が出ている」という調査結果をもとに、毎週〇万円や毎月〇万円など、サービスに使えるお金の枠を設定します。

その範囲内であれば、通常の経営や今後の改善に大きな影響がなく、またお客様にもサービス提供できる、という枠です。飲み物やお料理などパッと判断できるように、この枠は売値で設定するのが一般的にはお勧めです。また、コスト意識を養うため、原価で枠設定しているお宿もあります。

この「枠を意識してサービスを行う」、これは経営改善にとても大事な意識改革です。

この様な枠設定は「味気ない」「がっかりだ」という反論もよくいただきます。私たちも接客・現場経験者ですから、その時の雰囲気や流れでサービスしたくなる気持ちは心底よくわかります。そのお気持ちは一切否定していません!

ただ「サービスにも原価がかかる」という点と、「サービスしすぎて経営に影響が出ている」という点は、ぜひ常に意識して欲しいことです。




 

 

 

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