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味が落ちた?サイズが小さい?・・・その口コミ、旬が伝わっていないのが原因です

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 日本では四季に応じて、肉・魚・野菜など多彩な旬の食材を味わえます。技術の発達により年間を通して安定供給されるものも増えましたが、だからこそ“旬を伝えること”の重要性が見過ごされがちです。今回はPRの話ではなく、飲食店や宿泊施設の評価という視点でお伝えします。

 先日、アジフライの名店で昼食を取っていた際、隣の席から「味が落ちた」「料理人が変わったのかな?」「魚が小さくなった」という声が聞こえてきました。気になって口コミを確認すると、同じ内容がいくつか投稿されていました(評価3前後)。

 飲食に携わる方ならよくご存じの通り、これは料理人の腕や経費削減の問題ではなく、“旬”が理由です。とはいえ、年中提供している食材や料理では、旬の違いに気づけるお客様はそう多くはありません。お店がその時期に手に入る最良の素材を扱っていても、「前より小さい」「脂が少ない」と感じられてしまうのが現実です。

 だからこそ、飲食店や宿泊施設から積極的に“旬ではない”ことを伝える工夫が必要です。

・ 「いまは旬ではありませんが、その分身が締まり、さっぱりと味わえます」

・ 「脂ののりは控えめですが、素材の香りをより感じていただけます」

こうした一言で、誤解されるリスクを減らすだけでなく、お客様との会話にもつながります。

 「旬や旬ではないことを伝えると、集客にそのまま影響するのでは…?」という意見もあります。気持ちは十分わかります。ただ、旬の影響による変化を説明しないまま「店・宿の品質が下がった」と受け取られる方が、はるかに痛手です。むしろ食材へのこだわりがあるからこそ、旬・旬以外の魅力を正しく伝えることは、プロとしての矜持だと考えています。

 季節ごとに違う料理を提供されている飲食店や宿泊施設は良いですが、○○専門店など数種の食材や料理に拘ったお店・お宿さんでは、特に気を付けたい視点です。ご検討下さい。






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