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失敗やミス ・・・ 失敗そのものではなく頻度を叱る

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日常生活や普段の社内でもそうですが、事業再生先では失敗やミスを非常に多く見かけます。失敗やミスに対して、改善の為に一つ一つ理由や対策を説明し、どのようにするのかを意識させていきます。ただこれも一回で改善されることはほとんどなく、そのスタッフたちに染み込んでいるため、そんな失敗やミスが起こるたびに何度も何度も繰り返し同じことを説明します。


怒ると叱るの違いは何度か取り上げてきました。怒るには個人の感情が入っています。自分の怒りや憤慨を相手にぶつけて、自分の気持ちを少しでもすっきりさせようとする行為です。ただ、怒鳴りつけてすぐ相手が変わることはありません。

それに対し、叱るのは相手のことを思い改善させよう・直そうとする感情です。もちろん多少口調が強くなることはあるでしょうが、できるだけ感情を抑えながら理路整然と指摘・アドバイスするのが叱るです。


ただ、私たちもこれが完璧に出来ているとは自信もって言えません。勉強中です。詳しくは「アンガーマネジメント」などで検索してみてください。

ここで重要なのは、失敗やミスを叱るのは当然ですが、一番叱るべきことは頻度です。なぜそんなに失敗するのか、間違えるのか、叱られても直っていないのか、その頻度です。よく言われることですが、失敗しない人なんていません。それは誰だってそうでしょう。ただそれを頭の知識としてわかっていても、私も含め、感情的に忘れる人が非常に多い。部下が初めてミスした場合でも、上司に感情的に怒鳴られたらたまったものではありません。


繰り返しますが、誰でもミスはします。その前提で、一つ一つのミスに対しては注意やアドバイスを行います。そして上司が叱るべき点は頻度です。同じことを繰り返している、何度も同じことを繰り返している、内容は違えど本人のケアレスで何かしら失敗やミスを連続している・・・ そんな頻度が叱る対象です。


上司と部下の大きな差の一つとして、仕事の精度があります。業務内容のレベルが上がっても仕事の精度が高いことが上司の必須条件です。自分の仕事の精度が低いと、部下も叱れません。私たちが常に意識している言葉、ドラッカーの名著「経営者の条件」のまえがきにある「自らをマネジメントできない者が、部下や同僚をマネジメントできるはずがない。マネジメントとは、模範となることによって行うものである。自らの仕事で業績をあげられない者は、悪しき手本となるだけである。」そのものです。自分がやれないこと、やっていないことは叱れません。また自分が普段やってしまうミスや失敗も、他人には叱れません。その内容を叱っても「自分のことは棚にあげて」と冷めた嘲笑をくらうだけです・自分も絶対にミスはするはずです。だからこそミス自体は叱らず、その頻度を減らす為に部下やスタッフを叱るよう心がけましょう。


事業再生の現場では、これをいろんな部署・場所・人でひたすら繰り返す日々です。事業再生というと壮大なプロジェクトで実際にもそうではありますが、現場では個人の意識改革・仕事の精度Upが非常に重要なことです。

ミスをするのは当たり前、問題にすべき点はその頻度です。このコラムは日常的なホスピタリティ現場における内容であり、人命にかかわることや大きなリスクに関わる失敗・ミスは一つ一つ確実に潰していきましょう。自省をこめたコラムです。



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