21.07.09
接客業を目指す人は「自分のペルソナ」設定を
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ホスピタリティ産業・接客業には、ホテル・旅館・飲食店など様々な形があります。ここを目指す人たちのほとんどが「人と接するのが大好き」な人たちです。長年この業界にいる者として、新しい人たちが希望をもって参加してくれることは嬉しい限りです。その反面、「自分が思っていたのとは違う」という理由で辞める人が少なからずいます。
これは接客業自体が合わなかったというより、その館・店やその客層への接客スタイルが合わなかった、という理由がほとんどです。
例えば、ラグジュアリーホテルで接客したかった人がビジネスホテルに就職しても、やりたいことは全然違います。またファミリーメインの観光ホテルを希望していた人が、お子様お断りのカップル専用旅館に就職しても同様です。
どの館・店にも素敵な接客・ホスピタリティはあります。ただ企業文化や顧客セグメントが全く違うため、自分がやりたいこととは全然違う環境かもしれません。異なる業界に就職・転職したくらいの差があります。
ただこれはWebやネット情報、また面接時にある程度わかっても、実際に働いてみないとわからない面も大きく、それが合致しなかった時は入社した本人だけでなく採用側も不幸です。
これから就職・転職する人は、まず自分がどんなお客様を接客したいのか、その具体的な像・ペルソナを考えてみましょう。自分のペルソナをクリアにした上で、求人を出しているホテル・旅館・飲食店などがどのようなペルソナを設定しているのか調べます。
自分のペルソナと企業のペルソナが極力近いところを選ぶと、本当に自分がやりたい接客・ホスピタリティの行動ができる可能性が高くなります。ペルソナを企業とのマッチングの目安に使えたら、不幸なスタッフが減るかもしれません。
ステキな気持ちを持った人が、できるだけ理想の場所で活躍できるように。
ご参考までに、私がホテリエになった当時に設定したペルソナの概要です。
■■■ 私のペルソナ(ホテリエになった頃) ■■■
年金を貯めて、小学生低学年位までのお孫さんを連れてくる70歳のおじいちゃんおばあちゃん。決してお金持ちでは無い。車は初代プリウスを大切に乗っている。
以前は公務員でご自宅は福岡県篠栗町(福岡市郊外)の一軒家、少し広めの庭がある平屋建て。ここで息子さんと娘さんを育て上げ、お二人ともすでに県外でご結婚済。
普段は二人でのんびり地元の人たちと交流、時々福岡市内まで二人でお買い物に行く。ただ、天神をぶらぶらする程度で、高価な買い物はしない。お二人ともウエストのごぼ天うどんが好物。贅沢はせず、夏休みや年末などに帰ってくるお孫さんと会うのが楽しみで無駄遣いを控えている。お孫さんが帰ってきた時に、貯めていた年金を一人当たり15,000円程使って隣の県まで旅行に行くのが特に楽しみ。
家にはこの旅行で撮った写真がたくさん飾ってあり、毎回この写真が増えていくのがうれしくてたまらない。
■■■ 私のペルソナ (終) ■■■
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