25.01.28
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利益ベースでは、低価格&高稼働が必ずしも正解とは言えない例
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新規で経営改善のご相談をいただくお宿・お店の皆さんは、「適正価格」ではなく「安売り」をされていることが少なくありません。競合他社のことを意識しすぎて、安売り競争に走られていることも多くあります。
ただ、利益ベースで考えると、安売りでの高稼働はあまり意味がありません。スタッフさんの身体的・精神的負担は大きく、余裕を持った接客が出来ていない危険性があります。また、実際には値段を上げて(適正価格にして)稼働率が落ちても、残る利益は増えるケースがよくあります。売上高は確かに大事ですが、経営上着目すべきは利益です。損益計算書(PL)上は5つの利益がありますが、まずは売上総利益(粗利)の改善に取り組まれると良いでしょう。
弊社が新人ホテリエさんたちにセミナーを行う際、タイトルの「利益ベースでは、低価格&高稼働が必ずしも正解とは言えない例」もお伝えしています。実際に数値化することで、利益の大切さを理解して貰っています。
今回、その時に使用しているエクセル・ファイルをさらに簡略化し、お試し感覚でお宿の販売価格・利益を算出して貰えるようにしました。あくまで試算用であり、この計算だけで適正価格を判断できるものではありません。ただ、売上や高稼働率よりも残る利益の方が大事だ、ということはご理解頂けると存じます。ご自由にダウンロードしてお使い下さい。
なお、稼働率低下予測は、弊社事例では適正価格(20%程の値上げ)に変更後、一時的に10~15%ほど落ちることが多いです。ただその後、適正価格と判断いただいたお客様が増え、元の稼働率以上になることがほとんどです。適正価格とは「高くする」という意味ではありません。集客に悩むお宿では「低くする」こともあります。その場合は稼働率が上がります。その館の接客やサービス、設備にあった価格にするということです。弊社が提唱する3S(接客・清掃・清潔感)にきちんと取り組まれているお宿では、特に問題なく半年ほどで稼働率が基に戻っています。
皆さんの素敵なおもてなしを守るため、安売りはやめ、適正価格でのビジネスを目指してください。
【注意事項】
*適正価格を検討する際、わかりやすいように価格および稼働率のみを基に簡易的に算出するものです。「値上げすると稼働率が落ち、利益が残らない」とご心配の方に、お試し感覚でお使いいただけます。
*これは弊社が新人ホテリエ研修時に使用するものを、さらに簡略化したものです。「利益ベースでは、低価格&高稼働が必ずしも正解とは言えない」と理解して貰うために使用しています。
*実際の適正価格算出には、部屋タイプごと、客室だけでなく定員ベースでの算出、運営に掛かる人件費や光熱費の増減、根拠に基づいた稼働率低下の予測、さらには近隣マーケットなどを調査した上で決定を行います。この表だけでのご判断はおやめください。
*ビジネスでは、この改定後、新価格を基に「この稼働率をどうやって向上させていくのか」という段階に移ります。
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