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宿・店の「わるいこと」を、あえて先に伝えるという選択

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 あるお宿のことです。外観は少し年季が入り、エアコンはセントラル方式。山中にあるお宿なので、部屋にはたまに虫も入ってきてしまう。そんなお宿に、ある日「正直すぎる情報発信」をご提案しました。

「えっ、そんなこと書いたら、お客様来なくなりませんか?」

 最初は驚かれました。けれど、結果は真逆でした。「事前にわかっていたので、そういう発信も含めて、なんだか安心できました」、そう言って泊まりに来てくださったお客様がいたのです。


 弊社では、お取引先に「自社の“わるいこと”(ネガティブな面)をあえて先に伝える」PR方法をご提案しています。たとえば

・駅から遠い
・エアコンがセントラル方式で個別調整ができない
・ウォシュレットが未設置
・道が狭くて車の出入りがしにくい
・外観や内装が古びて見える
・露天風呂は虫が入りやすい

などなど… これらはすべて、お客様アンケートやOTAのレビューに実際に書かれていた内容です。

 でも、こうした情報を先に発信しておけば「それくらいなら気にしない」、そんな風に受け止めてくれるお客様が自然と集まってきます。実際に、「事前にわかっていたので問題ない」「正直な宿で信頼できる」「安心して泊まれた」という高評価の声もいただきました。

 悪い点や出来ないことは、ご利用時に隠すことはできません。それであれば最初から伝えましょう。まず、その悪い点が気になる方は、そもそも予約されません。最初から「低評価を付けられるであろうお客様」はご利用対象から外れます。

 また、ご予約頂けるお客様はその内容前提でご宿泊されるので、低評価口コミは付きにくくなります。「思ったより快適」「そこまで酷くなかった」とプラスに捉えて貰えることも多いです。また仮に改修予定などがあれば、併せて発信しておくことも大事です。印象面で良い効果があります。

・気になる方は、そもそも予約しない → クレーム回避
・気にしない方は、納得して予約 → 満足度アップ&高評価

 お客様にとっても、宿側にとっても Win-Win になります。この提案をすると「集客に影響する」と躊躇される経営者は多く、お気持ちはよくわかります。もちろん、多少の影響があることは否定しません。ただ、納得されないお客様は、LTV面(生涯顧客価値)で見て、そもそも次は有りません。一回限りの売上に気を取られると、ご利用後に低評価されることで他の利用者に選んで頂けません。実際は、目に見えない段階で既に集客は落ちています。

 それであれば自分たちできちんと発信し、お客様に誠実な姿勢をお見せしましょう。きっと高評価・好評価に繋がっていきます。

※書き方・表現方法は重要ですので、そこは十分お気をつけください。




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