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「無意識」の行為を「意識的」に引き出せますか

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「無意識」は、フロイトによって明確にされた概念です。今日は精神分析上の難解な無意識ではなく、私たちが普段「無意識に」やっている行動について考えてみましょう。


これまでのブログで、コラムやスキルカテゴリーで紹介したような内容を事業再生先や周囲の仲間たちにアドバイスすると、「やっていますよ」「あ、意識せずに自然とやっています」という回答が返ってくることがあります。


私たちがいまブログに書いている内容は基本中の基本、マネージャークラスや経営者レベルの人たちにとって「知ってて当然」という内容です。


内容を見たとたん、「あ~この内容だね、知っている」や「以前習ったから覚えているよ」と言われることも多い内容です。私たちがビジネスの基礎として取り上げているレベルですので、当然そう思われるでしょう。



しかしここで気づいて頂きたいのは、私たちが紹介したりアドバイスしたからその記憶が呼び起こされたのであって、そのきっかけがなければ全く思い出さないかもしれない、ということです。


最悪この状態が許されるのは、誰も指導したりアドバイスしたりすることのない立場の人たちだけです。



もし皆さんがマネージャーやリーダークラスであれば、この自分の「無意識」を意識する必要があります。哲学的、難解な言い回しのように聞こえるかもしれませんが、そうではありません。簡単に説明します。


ホテルや旅館、飲食店に勤めてそれなりに仕事のこなせるようになった方々には、知らず知らずにスキルや対応力がついています。意識しなくても自然とした振る舞い、対応、接客が出来ています。


この時、皆さんはお客様のことだけを考えて自分がどのように対応しているか、そのやり方や仕草は意識していないはずです。


これはあなたが一人で仕事をしていたり、その業務が永遠にあなた一人担当であれば問題ありません。


しかしいざ後輩が出来た、部下が出来た、そんなときにこの無意識の行動やスキルを意識的に教えたり伝えたりする必要が出てきます。


例えば、レストランホールで急に問題が起きた時、これまでの経験を基にあなたは無意識にいろんな対応が出来るでしょう。


ではあなたが別件で手を離せないとき、その(普段は)無意識な対応を的確にスタッフに指示出来ますか?


また、普段あなたが無意識に行っていることを、教育内容として意識的に部下にアドバイスすることが出来ますか?



私たちが伝えたい「無意識」の行為を「意識的に」引き出す、ということはこういうことです。


どんなに「知っている」「教えてもらった」と言っていても、自分の力で意識的に引き出せなければ、何かのきっかけがないと出てこなければ、その無意識の行為は(マネージャーとして担当する教育面では)無意味です。



自分が無意識にやれること・対応できることを書き出し、その内容をまず自覚しましょう。こんなことも出来るんだ、と新たな自分を発見することも少なくありません。


またその内容をいつでも自分の部下や後輩の教育に応用できるよう、無意識を意識しておきましょう。

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