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あなたの持ち物はスキルか、それともツールか

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最近、同僚や部下と外国語の必要性や資格の取得に関して雑談をしていたのですが、いくつか感じたことがあったのでまとめます。


「TOEICで〇点取りたい」「スペイン語を話せるようになりたい」「○○という資格を取りたい」等、若い子達を中心にいろんな目標の話を聞きました。


この目標自体は素晴らしいし、ぜひ頑張って欲しいと本気で応援しています。



ただ、ちょっと頭や心の片隅に置いておいてほしいことは、これらを取得したり体得したとしても厳密にいえばそれはスキルではありません。ツールです。


私たちがここで使う単語 ツール / スキル は元々の単語の意味とはほんの少し解釈が違いますので、その前提で読んでください。



わかりやすいところで言えば、TOEICで高得点をとれるように頑張って、そしてその目標点数に到達した!・・・純粋におめでとう!と言えます。でもこの時点でこの人にはスキルが出来たのでしょうか?


○○という資格を取るために頑張ってやっと取れた!・・・こちらにもおめでとう!と言うでしょう。こちらもこの時点でこの人はこの分野のエキスパートでしょうか?



私自身を例に挙げると、私は田舎大学でクラシックの作曲を専攻していました。中学と高校の音楽教員の免許も持ってます。それだけを伝えると結構な確率で、凄い!とかピアノ上手そう!とか言われます。


しかし、実際は中学吹奏楽部で音楽に目覚め、それから音楽を志してピアノを習い始めたので、大学では完全に落ちこぼれでした。ピアノのレッスンも、小さい頃からやっている仲間達には到底かないません。どうにかしてレッスンをさぼろうと毎週悪知恵を働かせていました。


こんな状況でも音楽教員の資格を取得し、作曲専攻を卒業したという実績はあります。それだけ話したら立派な音楽家です。でも今ではピアノも全く弾けません。



私の例からもわかるように、何かを得た・何か勉強した・・・これだけでは自分のスキルにはなっていません。とりあえずツールを準備したレベルです。


英語を勉強するとしたら、あなたはその英語で何がしたいのか / 何を話したいのか / どんな仕事をやるつもりなのか / ビジネスであれば海外担当者と対等に話せるのか、それが重要です。それが「英語を話せる」ツールと「英語でやりたいことが出来る」スキルの違いです。


また何かの資格を取ったとしても、同じ資格を持っている人と比べ物にならないほどレベルが低ければ、ツールを持っているだけでスキルではありません。同じ資格であっても、その資格の為に懸命に勉強してきた人と、現場で長年実績を積んできたがちょっと資格にも挑戦してみた人とでは雲泥の差でしょう。同じスキルではありません。



立派な大工道具、どうしても欲しくて努力をして何とか手に入れても、素敵な建物を建てられるかどうかはその人次第です。ツールとスキルはそれほど違います。


皆さんが目標にすべきなのはツールの取得ではなく、自分が自由に、そして自信とプライドを持って使えるスキルです。

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