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自社スタッフに対し、気を付けるべき態度・対応

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事業再生や経営・サービス改善に取り組む時、私たちが最初に行うことは全スタッフの名前と役割を覚え、スタッフ一人一人の能力と個性を把握・尊重することです。これが後々の肝となります。

ただ、実際に現場に入ると、その企業のオーナーやMGRが全スタッフの名前を知らないことも多く、意識を変えてもらう必要があります。もちろん会社の規模によりますが、できる範囲で対応して貰えたらと思います。

この内容は取引先のことにも一部触れていますが、気を配って欲しいことをまとめています。ぜひ自社状況を思い返してみてください。



スタッフの名前は全員憶えて、常に名前で呼ぶ


正社員以外のスタッフを「パートさん」「バイトの子」と呼ぶ企業は珍しくありません。雇用形態で呼ぶことのおかしさ、気づいていますか?パートさんと呼ばれた人が果たして自社の為に懸命に働いてくれるかどうか。ほとんどの方は「どうせパートだし」という気持ちが芽生えます。そういう態度が目に入ると「金払っている分働け」と言い出すMGRやオーナーもいて、そこから悪循環に陥ります。

働いている方の名前は「パート」「バイト」ではありません。私たちが各種改善に入る際、雇用形態に関わらず必ず全員の名前を覚え、名前で呼びます。自分が逆の立場だった時に、名前で呼ばれるか否か。それはかなり大きな違いだと気づくはずです。

名前で呼ぶことは、その人の存在を認めているということです。



雇用形態関わらず、社員割引などの福利厚生は全員が使えるようにする


社会保険はともかく、自社内の割引利用やクーポン配布など「自社で行う福利厚生」はできる限り差がないようにしましょう。一緒に働いているという面は同じなのに、雇用形態によって割引は全然違う(または全くない)という企業も多く、その点は再考する必要があると思われます。

もちろん、月に一度しか入らないパート・バイトの方々と正社員が全く同じである必要はありません。そこは差をつけてもいいと思います。ただ、全くないという状況は避けたいところです。



名札・名刺を作る。会社に所属している意識の構築


あるホテルを事業再生する際、部署が違うとお互いの名前を知らない、という状態が改善のネックになりました。「他部署は違う職場」という意識さえ感じました。

そこで、清掃やバックヤードの方々も含め、全員に名札を準備しました。「総務の女の子」「掃除のおばちゃん」と呼ばれていた方を「○○さん」と呼ぶためです。先に述べましたが、名前で呼ぶということは重要です。同僚同士の場合、一気に距離が縮まります。名前で呼び合って仕事をするのか、「ちょっとすみません」と断って仕事をするのか。この点は名札を付けることで改善できます。

また、フロントや仲居さんなどお客様と直接接する人はもちろん、バックヤードで取引先に会う人や、清掃中にお客様とすれ違う清掃担当にまで、全員に名刺を持たせることもあります。名刺は自分を表すカードです。定年退職した方が自分で名刺を手作りし、持ち歩いているのも見かけます。それだけ名刺というものは重要です。あまり使わない部署の方にはPCで10枚ずつでも作ってあげましょう。使うことが目的ではなく、その会社の一員として認めたという証、承認欲求を満たすツールでもあります。



雇用条件は守る


採用時に「土日祝は働けない」「夜間は無理」など、採用スタッフの生活スタイルに合わせた内容で雇用しているはずが、いつの間にか破られている例が多くみられます。ご本人が全面的に納得されているのであれば問題ありませんが、ほとんどの場合「仕方ない」「渋々受けている」状況です。

このような時、経営者やMGRは「困った時はお互い様」と言うことがあります。人手が少ない、働ける人がいない。その状況はよくわかります。ただ、「困った時はお互い様」はMGR自身が代わりに入る際、相手に気を使わせないように自分に対していう言葉であり、スタッフに押し付ける言葉ではありません。

いまは自分のライフスタイルを大切にする人が多く、またお子様や介護などはご自身の予定が変更できない場合がほとんどです。それを考慮しての採用条件だったはずです。スタッフは断りづらい立場です。MGRはいつの間にか「あの人なら受けてくれる」と考えている節もあります。

雇用条件は契約の一種です。自社の都合をスタッフに押し付けすぎないよう、頼むのであればお互い同意の上、できるだけ頻度を減らす工夫をしましょう。



取引先・配達関係の方々は未来のお客様


最後は自社内スタッフではありませんが、取引先や配達関係(荷物・郵便など)に対して上から目線・冷たい対応のオーナー・MGRを見かけることがあります。極端な言い方をすれば、お客様から受けたクレームなどの鬱憤を取引先などにぶつけている方もいます。「そんなところに荷物置くなよ!」という言葉も、何度も聞きました。

その方々が、自社のホテルやレストランを使ってくれるでしょうか?もし使ってくれた時、今度はお客様としてその方たちにはどう接するのでしょうか?



私たちが改善に入る際、ESは最も重要視することの一つです。それは雇用形態・社内外に関わらず、自社に関わる全ての人に対して、です。ESの高い宿・宿はCSも高い。自分が満足していないのに、お客様には100%の笑顔を見せられる、そんな神様みたいな人はほぼいません。

勘違いしてはいけないことは、たとえ雇用・管理職側だとしても、役職名は「責任を取る範囲・重さ」であり「自分の偉さ」ではありません。どんな立場・状況の人でも「人と人は対等」です。

自社スタッフの大切さを再度考えてみて下さい。


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