19.03.24
選択肢 ・・・「狭い選択」と「広い選択」の使い分け
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いろんな場面で選択したり、またこちらから選択を提案したりすることがあります。
例えば、「A商品には○○という機能が付いています。B商品には△△がついています。お客様のライフスタイルに合っているのはBかもしれません。」や「この保険で十分だとは思うが、あの保険がより内容が充実している。しかし少し値段が高い。どうしよう・・・」などです。
誰かになにか選択を迫る場合、できるだけ狭い範囲・内容を細かく説明して提案した方が相手は決断しやすくなります。これは営業先でお客様にご購入をご決定頂く際によく使われます。
また詳細に提案することにより、相手は「これ以外に選択肢はないのだろう」という気持ちになり、どちらかを選ぶ傾向にあります。
この「狭い選択」はビジネス上でもよく行われることですので皆さんよくご存じだと思いますが、逆に「広い選択」を意識する必要もあります。
「広い選択」とはなにか。それはあえて漠然とした選択肢を用意し、その回答から相手の嗜好や好み、意見を汲み取っていくことです。
例えば、「人生において成功したい?したくない?」「夢はある?ない?」から「和食と洋食、どっちが好き?」など、先述の狭い選択に比べると大まかな漠然とした選択肢・質問となります。
この「広い選択」を行うと、次に「少し狭い選択」「もう少し狭い選択」という風に少しずつ範囲を狭めていくことができます。このことにより相手との会話がスムーズに流れ、その相手も質問に答えながら自分の考えをまとめることができます。
ホテル・旅館・飲食店でお客様とお話をする時、「うちのホテルはこのAとBの料理を用意しております。どちらがお好みですか?」と尋ねるより、「お客様は和食と洋食どちらがお好みですか?」と聞いたほうがお客様との会話は弾みます。AとBの料理しかないと提案された場合、その時点で「じゃ、結構です」と断られることも多々あります。
著者が関与しているホテルの一つでは「ご宴会に決まったメニューはありません。」が特徴になっています。それは全てのお客様と一度はお話できるようにするためです。
お客様に狭い選択肢だけを提案していると、ホテルにご連絡いただく前にすでに諦める方もいらっしゃいます。広い選択肢を提案していると、まずはご連絡いただけ、仮にご希望に添えなくても別のご提案ができたり、次のチャンスをいただけたりします。
一般のお客様からみた場合、ホテルという場所は非常に敷居の高い場所です。私たちも、一般のお客として初めてのホテルの入る際にはやはり少し緊張を感じます。
その敷居を少しでも下げる、できるだけ心理的負担を少なくしてコンタクトいただけるようにする。それがこの広い選択を準備している理由です。
「うちの店はこの料理一本だけだ!」というこだわりの店もあり、それは一つの戦略で問題ありません。ただ、幅広くお客様を集客したい/より多くのお客様にまずは一度は使っていただきたい、と考える方々はこの「広い選択」を検討してみてください。
Pixabay : 魅力的なフリー画像 https://pixabay.com/
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