19.01.23
QCD ・・・ 顧客満足に必須で不可欠な3要素
記事一覧»
どんな仕事であっても「提供する物・サービス・お客様がお支払いになる対象物」があります。何かに対して対価をお支払い頂いています。
その何かにおいて常に意識すべき基本がこのQCDです。Quality (品質)、Cost (コスト)、Delivery (納期) の頭文字を取ったもので、いろんなビジネスの基本になる考え方ですが、今回は私たちホスピタリティ産業に当てはめて考えてみましょう。
【Quality】
そのホテルや旅館、飲食店に何を求めて来られているか、まずその基本を考えましょう。お料理、温泉、居心地、ゆったりとした時間、サービス ・・・ そのお客様それぞれのご希望を十分に満足させるQualityを、皆さんは提供出来ていますか?期待以上の美味しさ、快適な温泉などはわかりやすいですが、例えば「私たちは家族だけでゆっくり過ごしたい」とお望みのお客様に対し、頻繁にお伺いしたり過度の接触は逆にQualityが低いと感じられます。Qualityは「お客様が望まれること」であり、提供者の自己満足にならないように注意しましょう。
【Cost】
「これだけの料金を払う価値があった」と、お客様が感じて頂けることが第一です。こんな内容でこの値段は高い、と思われるのはCost面では失敗です。これはお客様からみたCostです。それに対し、十分な利益が出ているか、原価は合っているか、など自社からみたCostも意識する必要があります。お客様のご満足度を優先するあまり、どんぶり勘定の安売りホテル・旅館・飲食店は驚くほど存在しています。気持ちはわかりますが・・・
【Delivery】
通常は物販などでの納期を指す言葉ですが、ホスピタリティ産業ではお客様に対して食事や飲み物、サービスを提供する時間に置き換えてみましょう。いつまでも料理や飲み物が出てこない、逆にやっつけ仕事のように次々に料理が出てくる、頼んだことをずっと待っている、など時間に対するご不満はよく耳にします。早ければ良いわけではありません。「お客様のお望みの時間・タイミング」がホスピタリティ産業におけるDeliveryです。
==========
様々なビジネスにおいて上記QCDが基本の考え方となりますが、各業種によってさらに+〇という項目が追加されることがあります。その中でQCDとは被る部分も多いですが、私たちの業界に関係のある2つのSを追加して覚えましょう
【Service】
お客様がどんなサービスをお望みなのか、それをしっかりと把握しましょう。細かなサポートや対応をお望みなのか、ほったらかしをお望みなのか。サービスは何かを提供するだけではなく、(お客様がお望みであれば))何も提供しないということもサービスです。私は以前、リピーター様が普段とは違う女性とご来館された際、あえて「初めてご来館された」イメージで接客し、お帰りになるまで話しかけず、後日お礼とお褒めの言葉を頂いたことがあります。
【Speed】
お客様へ食事やサービスを提供するスピードも重要です。ゆっくり過ごしたいお客様と、せっかちなお客様への対応スピードは異なります。例えば、のんびり過ごしたいお客様を、スタスタと速い足取りで先導すると嫌がられます。また、早く部屋に行きたいお客様をゆっくり歩きながら案内するとイライラされます。また話すスピードも、お客様に合わせた流れだとスムーズです。気を付けたい点ですね。スピードは「早く・速く」ということではありません。スピードが重要というと時間短縮を考えがちですが、オンタイム (お客様がお望みのスピード))が最重要です。
==========
これら QCD+S は私たちが常に心掛けるべき内容です。上記内容は無意識にやっている人も多いと思いますが、自分のやっていることに漏れや無駄がないか確認してみましょう。
CATEGORY
WRITER
Director