19.03.05
PEST分析・・・自分ではどうしようもない大きな流れを把握する
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このコラムは18.10.03 にHP掲載した内容を大幅に修正・加筆しています。いろいろな大きな流れが来る2019年度に向けて、いまのうちに「自分ではどうしようもない」ことを把握し、それにどのように対応するか(備える/活かす)、検討しましょう。
自社のビジネス戦略を立てる上でまず「自分の力ではどうにもならない大きな流れ・環境の変化」を前提におく必要があります。この部分は「努力してもどうにもならない」ので、分析の上自社戦略に組み込む必要があります。
2019年度は元号も変わり、また働き方改革や消費税UP、オリンピック開催へ向けての準備加速など、例年以上の大きな流れ・変化が発生します。
それは自社の努力では変えられません。あくまで「そのように変わる/決められる」前提で、自社がどう動くのかを決める必要があります。
外部要因は大きく分けて4要因、その頭文字をとって「PEST分析」と呼ばれています。
Politics ・・・ 政治的要因
Economy ・・・ 経済的要因
Society ・・・ 社会的要因
Technology ・・・ 技術的要因
Politics
法改正や政策によって大きく影響を受ける部分。近々では今後予定されている消費税10%への増税や、働き方改革、雇用形態、勤務時間等への法改正等。
Economy
大きなところでは過去のリーマンショックやブラックマンデー等。ただしこの部分は長期予測不可能でしょう。予測できる内容であれば、オリンピック開催準備に向けた動き、賃金の伸び率の鈍化や失業率等が挙げられます。米国と北朝鮮の会談等も今後の経済に大きな変化をもたらす可能性があります。
Society
少子高齢化はどの企業においても今後の戦略(ターゲット層の変更や商品改善等)を再検討する必要があるでしょう。またインバウンドの増加やオリンピック開催等も挙げられます。
Technology
スマートフォンによって書籍のデジタル化、ホテルやチケット類予約のオンライン化、音楽配信によるCD売り上げの鈍化、また自動車の自動運転やロボットによるホテル受付など大きく変化しています。
中小企業や個人事業主の方々で「私たちは小さいからあまり関係ない」と言われる方も結構いらっしゃいます。一見すると動きが大きすぎて自分たちには関係ない、と思われるのかもしれません。
逆です。「もろに影響を受ける」のは中小企業です。マクロ環境の変化に耐える、立ち向かえるだけの体力はありません。
だからこそPEST分析は必要です。前もって対策をすることが非常に重要です。これは抗えない社会全体の流れであり、自社でその流れにどう迎合していくのか、その方法を前もって準備しましょう。
イメージとしては、サーフィンで「波が来るのを待ってその波に乗る」のではなく「波になる部分に乗ってそのまま落ちずに乗っている」様にしないと中小企業は潰されます。
このPEST分析は「どのような影響を受けるか」という面だけに着目されがちですが、この大きな流れは他のどの企業やライバルも同様に受けます。
その為、逆にチャンスになることもあります。「備える」だけではなく「活かす」ことができることも考えてみましょう。
自社をとりまく大きな環境要因を都度確認し、その流れは変えられないものとして正確に把握し、戦略に取り入れていきましょう。
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