18.09.22

ホテル・旅館・飲食店の皆さんだけでなく、一般のビジネスマンや将来を思い描いている学生の皆さんにも、「目標」「目的」「憧れ」があると思います。

ほとんどの場合、そこには「お客様」が存在します。自分がどんな仕事をするかで対象となるお客様は違ってきます。

どんなお客様が相手ですか？と尋ねると、多くの場合漠然と「若い女性対象」「家族連れ対象」「高齢者対象」などの答えが返ってきます。

ここまでの文章を読んで違和感を感じられる方は少ないかもしれません。しかし、これはビジネスや自己成長において非常にもったいない状態なのです。

例えば「私たちのホテルはこんなお客様に来て貰いたい」「私はこんなお客様を接客したい」「僕はこんなお客様に商品を買って貰いたい」など漠然とした目標は皆さん持っています。

これをより具体的にイメージしていくことで、その目標へ到達する道筋や必要なもの・ことが見えてきます。この具体的な「お客様像」を「ペルソナ」と呼び、その方々へどのようにアプローチしていくかを「ペルソナマーケティング」といいます。

私がホテリエになる時に思い描いたペルソナ像は次の通りです。

■■■ 私のペルソナ ■■■

年金を貯めて、小学生低学年位までのお孫さんを連れてくる70歳のおじいちゃんおばあちゃん。決してお金持ちでは無い。車は初代プリウスを大切に乗っている。

以前は公務員でご自宅は福岡県篠栗町(福岡市郊外)の一軒家、少し広めの庭がある平屋建て。ここで息子さんと娘さんを育て上げ、お二人ともすでに県外でご結婚済。

普段は二人でのんびり地元の人たちと交流、時々福岡市内まで二人でお買い物に行く。ただ、天神をぶらぶらする程度で、高価な買い物はしない。お二人ともウエストのごぼ天うどんが好物。

贅沢はせず、夏休みや年末などに帰ってくるお孫さんと会うのが楽しみで無駄遣いを控えている。

お孫さんが帰ってきた時に、貯めていた年金を一人当たり15,000円程使って隣の県まで旅行に行くのが特に楽しみ。

家にはこの旅行で撮った写真がたくさん飾ってあり、毎回この写真が増えていくのがうれしくてたまらない。

■■■ 私のペルソナ (終) ■■■

これは抜粋したものです。もっと具体的な細かな日常生活を描いています。このように自分が本当に接客したい/お客様にしたい方々を具体的にイメージしストーリーを持たせると、この方々が実際に存在しているかの如く目に浮かび、どう対応していいのか浮かんできます。

またその時にこの方々に対して「自分に足りないもの」「自分が身に付けるべき知識・スキル」「そのお客様に興味を持って頂ける方法」等が見えてきます。

いまはまだ勉強中の学生の皆さんも、将来の夢を考えた時、どのような人たちが自分の前に現れるのか具体的に想像してみると、いま勉強すべきこと・そのレベル等見えてくるはずです。

漠然とした目標ではなく、自社や自分が相手にしたいお客様像を具体的に浮かべて下さい。その方々が自分のお客様だと想像して下さい。

そうすれば漠然とした目標を追いかけるより、効果的な事業再生・改善・自己成長が期待できます。

以上、簡単ですが「ペルソナ」「ペルソナマーケティング」の概要です。



写真：無料イラストなら「イラストAC」：https://www.ac-illust.com/

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