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駐車場を60→90分にしただけで、マイカー集客が伸びたお店

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 ある飲食店さんから、「集客力を上げたい」というご相談をいただいたことがあります。大都市圏ですが、少し郊外です。駅はすぐ近くにあります。ネット発信および料理監修は、以前から各専門コンサル会社が担当。弊社はそれ以外でやれることを探します。

 一連のチェック中、一番気になったのは「駐車場が60分」だったことです。結論から言えば、これを90分に変更しただけで、以前と比べ、マイカーご利用が2割近く増えました。実際の駐車場利用平均は、変更前より6分程伸びた程度でした。

 

 この飲食店のお食事パターンおよびご利用目的から、「お客様は(駐車時間を長くしても)そんなに長居はされない」「回転率に悪影響はない」と判断したことが前提です。ではなぜあえて長くしたのでしょうか。それは次のような 心理状態を考慮 したからです。

①(例)11:30、ランチのためにご来店。この時点で駐車場は12:30まで。

② 入店。メニュー~料理提供まで10~15分。食事開始 11:45

③ 食事時間に30分と仮定 12:15

④ お会計・駐車場精算まで考えると、12:20には席を立ちたい。

 New④ 仮に駐車場が90分、13:00までだと急ぐ必要や精神的な焦りはなく、ゆったりとした気持ちで席を立てる。

 お客様の立場になって考えると、ランチに取れる時間が1時間しかない場合、「車から~車への1時間」なのか、「90分の中の1時間」なのかは、心理的圧迫感はかなり違います。実際のお食事時間には大差がない場合でも、無意識に1時間という枠を気にしてしまいます。

 また、「1時間だけ仕事しよう/勉強しよう/読書しよう」と車で立ち寄った際には、駐車場に止めた時点ですでに1時間がスタートしています。

 もちろん、90分を基準にするお客様もいらっしゃるでしょう。ただ今回は、一般的に食事や休憩の目途となる60分、それをカバーできる駐車時間に変更することで、お客様の心理的余裕を作った流れです。全く同じ条件の店で駐車場だけが60分 または 90分で並んでいたら、余裕のある90分を選ぶ人が多いでしょう。

 今回の内容でお伝えしたいことは、60分を90分に増やしたという単純な事実ではありません。「その決定時に何を考慮してどこに着目したか」という部分です。大きな費用を掛けず、お客様の心理面を考慮して車での来店者を増やす。駐車場に限らず、このような事例が自館・店にないか、少し考えてみましょう。

 ※この飲食店さんには、今回の内容は許可頂いています。



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