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「古くてボロい」は価値になる … 「清潔」は絶対条件!

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 弊社は「(自称)古くてボロい」宿・店の皆さんから、多くのご相談をいただきます。最初に誤解の無いようお伝えしますが、私たちがそう呼ぶのではなく「うちの宿は古いから…」「建物がボロいんだよね」など口々に同じようにおっしゃるので、便宜的にこのように表現しております。

 私たちはこの「古くてボロい」宿・店が大好きです。お世辞ではありません。新築や真似では決して醸し出せない魅力がそこにあります。年月を重ねたからこそ出せる味と魅力、空気感があります。それこそが最大の魅力・価値になっています。ただ多くの場合、それをマイナスと捉え、新しい施設や設備に造り変えようとされます。その結果、「どこにでもあるこぎれいな宿」になります。魅力半減です。また経営が厳しい際に投資を行うことで、余計な負担が増え、結果的に事業継続断念/倒産の例も珍しくありません。一か八か、最後の手段 etc … だいたい失敗します。ぜひ「古くてボロい」価値に気付いて下さい。いまから改めて、その雰囲気を創り出せますか?そんな魅力を持った宿・店が他にありますか?


 皆さんがやるべきことを箇条書きにします。ぜひこの項目を意識して、その価値を活かして下さい。


■「古くてボロい」には「清潔」が必要です。「古くてボロいけど清潔」になるよう、意識して下さい。

3S(接客・清掃・清潔感)は、中小宿が大手やファンドと対等に闘える部分です。大きな投資は必要なく、自分たちの意識次第です。

「清掃しているから清潔」ではありません。例えば、スタッフの制服の汚れ、ガムテープで止めた掲示物、斜めになった額縁、ヨレヨレになったラミネートチラシ など、お客様は清掃とは違った部分でも清潔感の有無を感じられます。

■危険個所は必ず修理・修繕して下さい。その部分のハード投資は惜しまず行いましょう。事故が起こった場合、取り返しのつかないことになります。

■宿設備において、弊社が勝手に「三大ガッカリ」と呼んでいるのは、投資額の小さい順に「デュベではない/洗浄便座ではない/セントラル空調」の3点です。空調は大きな投資が必要なため、現実的に厳しい宿は多いと思います。資金的な余力次第ですが、できればベッドはデュベスタイルへ、便座も洗浄タイプにしましょう。


■浴室の古さもお金がかかる部分ですが、まずシャワーヘッドを1万円前後の物に変えるだけでも口コミに大きな変化が見られます。弊社が改善をお手伝いする際、よく提案する部分です。またドライヤーも風量の多いものに変えると、さらにお客様のご満足度が上がります。


 私たちは、大きな投資はお勧めしていません。まずは小さなことをしっかりとやることが大事です。無料でできることはたくさんあります。その後に大きなことをやればいいのです。明確な目的・効果見込みがないまま最初から大きな投資を行うと、結果的に自社の首をすぐ絞めます。ぜひ上記の点を意識しながら、「古くてボロいけど清潔」を目指して下さい。


*写真は、私の祖父が愛用していた腕時計で、いまは私が受け継いでいる「安くてボロいけど唯一無二」の物です。

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