19.01.20
ボトルネック分析 ・・・ どこを改善・改良すべきか洗い出す
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「この部分がネックなんだよね」・・・ 皆さんはこんな言葉を使ったことがありませんか?
悪い部分、改善が必要な部分、変えたい部分、そんな意味で使われていると思いますが、それはこの「ボトルネック分析」のネックです。
ワインなど飲料のビン・ボトルは、中身が一度に出てこないようにボトルの先(ネック)が細くなっています。これは通常の使用では問題ありませんが、もし一度に出す必要がある場合、大きな障害(ネック)となります。
この「ボトルネック分析」とは、このように自社の業務や製造工程、作業工程、プロセス等のどの部分がネックになっているかを洗い出す分析です。
ホテルや旅館の現場に置き換えると、例えばご宴会や披露宴時に滞りなく常にオンタイムでスムーズにサービスが提供できている状態が理想ですが、時として料理提供が間に合わなかったり遅れたりします。
その時にどこで時間がかかったのか、どこを改善すべきなのか、それを洗い出す必要があります。各工程を小分けにし、どこがボトルネックなのかを見つけ出します。
例えばキッチンで100の処理能力がありデシャップも95ほど処理出来るのに、ランナーが40ほどの処理能力であれば、その先で待ち構えるサービスが110の処理能力を持っていても無駄です。
この場合、ランナーの処理能力を上げる必要がありますが、「人を入れ替えるのか」「人を増やすのか」「ランナーの道具を変えるのか」「動線を変えるのか」など、いろいろな方法があります。
「いかにコストをかけずに、そして周りに負担が無いように改善するのか」を考えましょう。極端な話、コストを考えずに解決出来るのであれば、キッチンをバンケットのすぐ裏に作る策、となります。
ボトルネック分析という言葉は知らなくても、作業や流れの中でどこが問題点なんだろう、と知らぬ間にボトルネック分析のような考えをしている人は多いと思います。
重要なのは、リーダーやマネージャークラスの「感覚値」で改善するのではなく、きちんとしたデータ/裏付けをして改善することです。人の感覚は人ごとに違います。感覚値で改善を行うとトップが変わるたびにいろんなことが変わります。皆さんも経験があると思います。
ホテル・旅館の作業工程をボトルネック分析する場合、私たちは各工程にかかっている時間を細かく計測します。そして動線を変えるか、人を入れ替えるか、人を増やすかなど様々なパターンを検証し、最適なものを提案します。
その結果、ある旅館では各フロアに冷蔵庫・温蔵庫を配置しました。また別のホテルでは、エレベーターを常にキッチンフロアに戻すプログラミングにしました。また壁を壊して動線を短くしたところもあります。
自分の感覚を数値(時間やコスト)に置き換え、いくつものパターンを検証し、ボトルネックの改善を行って下さい。
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