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部下やスタッフより険しい山に登っていますか

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皆さんがマネージャーやリーダー、先輩として誰かを指導している人だとします。あなたはその指導している相手の人より、どれだけ上にいますか?どれだけ先にいますか?


例えば、高跳びでもっと高く跳びたいと真剣に思っている小学生がいたら、自分より跳べる友達や上級生より体育の先生に教えて貰います。テニス部の生徒が短距離を速く走りたいと思ったら、テニス部顧問ではなく陸上部顧問にお願いするでしょう。


誰かを指導・アドバイスする立場の人は、この「誰に教えて貰えば成果が出るのか」という目線に「自分は入っているのか」を意識することが非常に重要です。



マネジメントに迷っている新人リーダーやマネージャーから「部下の○○は私のことを舐めている」「言うことを聞いてくれない」という相談を受けることがあります。


大抵の場合、それはこの新人役職者らの力不足が原因です。言い方はきついのですが、舐められるレベルでしかないのです。


自分よりほんの少しだけレベルが上(さほどわからない程度)、自分より少し先に会社に入っただけ、自分と同じくらい失敗もしている・・・ それなのに上から目線で指導されても「何なの?」となるのは当然です。これは自身の経験からもわかることだと思います。



私たちが事業再生に行ったり新しい現場に入ったりすると、まず最初は必ず「お手並み拝見(どうせ大したこと出来ないだろう感)」満載です。私たちは(あえて誤解を恐れずに言えば)最初の時期に「レベルの違い」を見せつけます。これは上から物を言うということではなく、相手のミスや間違ってやってきたことに対し、きちんと数字や理論でわかるように説明するという対応です。


自分が気づかなかったミスや間違いを次々に指摘し、またそれに対する改善案もアドバイスされると、相手の方々には「さすがだ」と思ってもらえ、それからは急に信用して貰えます。先日取り上げた「タックマンモデル」の統一期に当たります。そこでリーダーとして認めて貰えるようなものです。


ただ、種を明かすと私たちもこの対応をするために、十分な下準備を徹底して行っています。相手の心を掴みつつ、リーダーやマネージャーとして認めて貰えるためにはどのレベルであるべきか、を見極めてから現場に入ります。



このように皆さんは指導する相手に「さすがだ」と思ってもらわなければならないのです。皆さんが部下やスタッフに何か挑戦させる場合、例えば彼らにとっては少し難しい山を登らせようとする時、大前提としてあなたはその山に登ったことがあり、さらにいまはもっと険しい山に登っている最中でなければいけません。


自分は気分爽快な高原でピクニック状態の時に部下に山登りを命じても、誰も納得しません。皆さんがもっと険しい山に登っているのが見えていて、そしてそこから自分が登っている小さな山へのアドバイスをしてくれるからこそ、部下やスタッフは納得して、尊敬して、そして言うことを聞いてくれるのです。



誰よりも険しい山に登っている。それが部下やスタッフに伝わっている。あなたはそんな登山途中ですか?

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