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MBWA ・・・ 経営者・管理職が意識したい行動によるマネジメント

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 MBWA(Management by walking around)、これは私が総支配人や各部門マネージャーとして現場にいた時、常に意識していたことです。また、弊社の「共動実践型」というコンサル方式の基になった考え方でもあります。

 簡単に言えば、「現場を動き回って見聞きして、多くのスタッフと交流することでマネジメントを行う」という意味です。

 これまで様々なお宿・お店に関わらせていただいています。勤め人としても、総支配人や部門長を何度も経験してきました。その際、常に意識していることは「現場にこだわる」ことです。現場に入り、現場の声を聴き、現場の声を改善に活かす。現場には多くのヒントが隠れています。それを自ら探しに行かないのはもったいない。それこそチャンスロス、機会損失です。

 少し大きな組織になると、上層部と一般社員の間にはいくつかの職位があり、本当に現場で頑張ってくれている人たちの声はなかなか届きにくくなります。特に、ハラスメント系の管理職が間にいる場合、心理的安全性も低いため、「本当のこと」は届かなくなります。

 経営者や管理職が現場を意識して回ることは、スタッフたちにとっても刺激になります。威圧するのではなく人間関係を築くつもりで回れば、スタッフたちのモチベーションにもつながります。

 実際に私がどのように現場に入り込んでいたのか、実例を載せておきます。私が新たなお宿・お店に入る際、事前に社員名簿や名前入りの組織図をいただきます。前もって全員の名前を覚えるためです。そして初日から顔と名前を紐づけし、すぐに名前で呼びかけます。これはあるホテルにGMとして着任する際、最初の一週間で全部署に入れてもらい、そこで全員の顔+名前を覚え、そして部署の問題点をその場で一緒に洗い出した時のスケジュールです。休憩の部分も、結局はみんなと一緒に動いていました。

 100人を超える組織でしたが、このラウンド後はパートのおばあちゃんたちからも日常的に直接意見を聞くことができ、改善がとてもスムーズに進みました。

 また、別の宿でバンケット部門を改善した時の一例です。バンケット・ブライダルなどのサービススタッフはパートナー企業に委託していることも多いのですが、その際にアルバイトで入ってくれる人たちも、その日だけでも名前で呼べるようにしていました。事前に名前と特徴を現場リーダーに聞いてメモ書きし、それをこそっと見ながら名前で呼びかけるように意識していました。

 学生の子たちは「ホテルのマネージャーが自分の名前を覚えている」と驚きつつ、緊張感と喜びをもって動いてくれました。また、アルバイトだからこそ「このホテルのこんなところがおかしい」という直接的な感想も聞かせてくれました。貴重な改善のヒントです。


 MBWAは、何か特別なことをしましょう、ということではありません。普段やっている方も多いでしょう。せっかくなら、その普段やっていることがMBWAというマネジメント手法の一つとして認知され、効果もあるということを意識して取り組まれて下さい。

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