19.03.18
「判断」と「思い込み」・・・ 同じように進めても後の結果に大きな違いが出ます
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最近、同僚に「判断」と「思い込み」の違いを説明することがありました。
事業再生の現場や普段のビジネスでは、先を見通せない状況でもこうしようと「判断」せざるを得ない状況が多々あります。
その時、その「判断」が自分の「思い込み」ではないか、思い込みを基にして進めていないか、十分に精査する必要があります。
身近な例を挙げましょう。例えば500名様のご宴会が開催される時、開始時間になってもまだあと50名様程いらっしゃっていないとします。
その時、この後の進行やお帰り時間の遅延を精査、またそれらに影響を受ける他のお客様のことを考慮し、いまの段階で開始する、もしくは少しお待ちする、と考えるのは「判断」です。
それに対し、遅れているお客様はそのうちいらっしゃるだろう、という特に何の根拠もない理由で開始するのは「思い込み」です。
またスタッフの立場でご宴会中にトラブルが発し、その状況をリーダーに詳細に伝え指示があるまでは他の接客を進めるのは「判断」です。
それに対し、周りのスタッフもこのトラブルを知っているから誰かリーダーに伝えるだろう/もう伝わっているだろうと思い、何もせず他の接客を進めるのは「思い込み」です。
説明を求めたとき、「~だと思います」「~だと思いました」という回答が戻ってきた場合はほぼ「思い込み」です。内容にもよりますが、「~だったので、そのようにしました」と具体的な理由が戻ってきたらほぼ「判断」です。
事業再生や日々の業務においても、漠然と「大丈夫だと思いますよ」や「○○のように対応してください」と言われた時にその根拠や影響を尋ねると答えられない人はたくさんいます。
それはその人の「思い込み」である場合も多く、検討が必要です。もちろん長年の経験・勘が活きる職人の世界では言葉で表せない何かがあるのは十分理解できますが、一般的なビジネス現場では「思い込み」はリスクが大きい注意すべき行動です。
特にマネージャークラスは、現状やその内容を精査したうえで「判断」しないと、その後行動を共にするスタッフたちも巻き込んで意味のない業務を行うことになります。
何か進める時や問題が起きた時、緊急を要する場合を除きまずはその原因を調べ、それに対してどのように対応するのか/それによって得られる影響・結果はどうなるのかを精査しましょう。
思い込みだけによる対処療法では、たまたま結果が良いことはあってもそれはあなたの判断力ではなく、本当にたまたまです。
自分自身がキーパーソンとして何か物事を進める時、説明を求められた時に根拠や考えられる影響・結果を説明できる「判断」をしているのか、なんとなく自分の経験値・感覚値の「思い込み」をしているのか、この二点を常に意識しましょう。
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