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ホスピタリティ・・・一流ホテルと中小ホテルに違いはありません

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テレビや雑誌ではいわゆる一流ホテルのサービスや対応が素晴らしい、と取り上げることが多々あります。


それを見て「やはり一流ホテルは対応が凄いなぁ」「一度泊まってみたいなぁ」「うちのスタッフとは違うなぁ」と思われる方も多いと思います。


お客様の忘れ物を新幹線で追いかけて届けた等、様々な「武勇伝」も聞きます。


私も海外も含めいろんなホテルに泊まり、そのたびに感心するサービスを受けることがあります。そのホテルごとに素晴らしいホスピタリティを感じます。



今回私がお伝えしたいのは、一流ホテルのサービスを真似できなくても中小ホテルが出来ることはたくさんある!ということです。


まず前提として忘れてはならないのは、一流ホテルがマスコミに取り上げられるようなサービスが出来るのは、それだけの対価を頂いているからです。


十分な対価を頂いているのでそれだけ高レベルのサービスが提供できるのです。これは一流ホテルのサービスを否定しているのではありません。中小ホテルとは根本的にビジネススタイルが違います。


一流ホテルスタッフに負けないマインドをもった中小ホテルスタッフはたくさんいます。そのホテルにホスピタリティにかける潤沢な資金があるかどうか、が一番大きな違いでもあります。


そのため、一流ホテルのサービスを羨ましがったり真似しても続きません。参考程度にしておきましょう。



では中小ホテルのホスピタリティとはなにか。これはホテルによって違うので一概に言えませんが、一つの例として私が特に印象に残っていることをお伝えします。


以前、山陰の温泉街コンサルに入っていた時、常宿にしていた小さな古いビジネスホテルがありました。

*久しぶりにHPを覗いてみたらトップページに「場所が判りづらいと言われます/浴室が狭いと言われます/外観が古そうだねと言われます」とわざわざ書いてありました。


最初は安さだけで選んだのですが、朝ごはんが美味しい!朝ごはんを運んでくるおじさんもとても雰囲気がいい。あとでわかったのですが、このおじさんが社長でした。


また、フロントにはいつも決まった一人の女の子がいました。この子の対応がとても雰囲気がよく、疲れて帰ってきた時にものすごくホッとしたのを覚えています。HPにはまだこの子の写真があったので、まだいらっしゃるかもしれません。


何度か泊まるうちにこの社長やフロントの子とよく話すようになり、泊まっていて不便なところなど気軽に話していました。コンサル先ではないので、一人の客としての話です。



ここまではよくある話ですが、このホテルのすごいところは(大きなお金がかかること以外)次回宿泊時にはことごとく改善されているのです。


一番感心したのは「仕事から戻ってきた時に冷蔵庫の中に冷えたミネラルウォーターが一本でもサービスで入っているとありがたい、ディスカウントスーパーの数十円のものでもいい。」という話をした後です。


社長から「せっかくなので皆さんに美味しい水を飲んで欲しいと思い、各フロアに大山の天然水飲み放題機器を設置した」と連絡があったのです。


大山の天然水はブランドですから、コスト面で考えればもっと別の選択肢があったと思います。しかしこれが大変好評で、いまではこのホテルの「7つのポイント」の一つになっています。



こんな「ちいさなこと」が私の記憶には今でも鮮明に残っています。テレビで取り上げられることはありませんが、一流ホテルに負けない心遣いです。これが中小ホテルのホスピタリティだと思います。


お金をかけなくても、お客様からヒントは頂けます。そしてそのお客様の期待を超えることも出来ます。



お客様の声に耳を傾け、自社のホスピタリティをより良いものにしていきましょう。



写真:Pixabay · 魅力的なフリー画像 https://pixabay.com/

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