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あなたの芝生も青い ・・・ 自分や自社の魅力に気づく

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「隣の芝生は青い」「隣の花は赤い」という言葉はご存知でしょうか。他の人やその持ち物は良く見える、うらやましく思う、という意味です。「○○ホテルは立地がよくてうらやましい。それに比べて私たちのホテルは ・・・」などの愚痴をよく聞きます。


この言葉を改めて思い出したのは、つい最近このような出来事に遭遇したからです。

車いすのお客様がいらっしゃったのですが、そこに全く見ず知らずの小さな男の子が駆け寄って「お兄ちゃんはずっと椅子に座っているの?いつも座っていられるからいいね。僕も座っていたい。」と話しかけていました。

それに対し、その男性は「お兄ちゃんも昔は立っていたんだよ。いまは君みたいに元気いっぱい走り回りたいなぁと思っているよ。」と笑顔で応えられた後、普段は車いすバスケットやマラソンなどスポーツもされているようで、車いすを自由自在に操りながらその男の子の興味を惹きまくっていました。


この会話の中で「男の子からの視点」「男性からの視点」、そして見ていた私の「車いす大変だろうな → すごい!」のそれぞれ異なった視点を感じました。

相手に対していいなぁと感じる部分がある、そして相手から見て自分にもある。また一見すると大変そうだなぁ、と思うことを克服して特技にされている面がある。他の人を羨ましがっていても、自分の中にも何か羨ましがられるものがある、ということを感じた出来事でした。

自分や自社の良いところはなかなか見えない、気づかないと思います。ただ、ほかの人や企業からみたらうらやましいと思われていることもたくさんあるかもしれません。自分で自分のいいところを探してみませんか?悪いところばかり気にするのではなく、他からみたら素敵なことをたくさん持っているはずです。


事業再生や改善を行うときに、周りのホテル・旅館の方や友人たちに自社の良いところを聞いてみましょう。また、自分の良さがわからないという人は、仲の良い友達や周囲の人に、恥ずかしがらずに「自分のいいところを教えてほしい」と聞いてみましょう。

私たちが改善を担当する時、「ないものねだりではなく、あるもののばし」とよくアドバイスします。ないものを欲しがり続けるとお金が続きません。もしそれを手に入れ続けたとしても、どこかで見たことあるような、没個性の宿になっているかもしれません。それよりも自社のあるものを伸ばしましょう。それは他社からみたら「あなたの芝生も青い」「ないものねだりの対象」かもしれません。


最後に、私たちがよく見直す宮﨑涼くんの詩をご紹介します。難病と闘い、12歳で亡くなった涼君の視点はとても素敵だし、私たちの愚痴や他人の芝生を羨むのもちっちゃすぎて恥ずかしくなります。画像は、NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 (2011年1月24日放送分)からお借りしました。



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