18.12.11
GOP・・・サービス業で働く人は理解し、意識しましょう
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GOPという言葉をご存知ですか?サービス業、特にホテル業では必ず知っておくべき・意識しておくべき数値・指標で、Gross Operating Profit の略です。
まず単純に言えば、そのホテルを運営して、どれだけ売り上げてどれだけ儲けたかを表している経営指標です。MGRクラス以上は自分のホテルや部署を運営する際、このGOPを常に意識しておく必要があります。
時々、会社全体のPL(損益計算書 Profit and Loss Statement)と混同されたり同一視された方がいらっしゃいますが、違います。
ここをクリアにするためには、サービス業で働く人たちはまずホテル・旅館やレストランの経営・運営方法を理解しておく必要があります。
ホテルを例に挙げると、一般的には建物を所有するオーナー(法人・個人)が別におり、そのオペレーションの部分(運営)を別企業が請け負うことが多い業界です。また同じグループ企業でも、建物を管理する企業と運営する企業を分けていることが一般的です。
建物・運営を一つの会社としてみなした場合、そのPLの中には建物の減価償却費、建築時に借り入れた借入金の金利、各種税金などが含まれています。土地建物が自社物件である一般企業と同じPLとなります。
しかし上記で述べたようにホテル運営を受託している企業では、この建物の減価償却費などは経営に関係のない部分になります(オーナーの負担部分)
Gross Operating Profit の Operating からわかるように「ホテルを運営している部分のみのPL」と考えたらわかりやすいでしょう。
そのため、そのホテルの総支配人は会社全体のPLではなく、GOPを経営指標として意識します。またそれを基準に、各部署ごとに落とし込みます。
私がホテル・部署単位で「ボトムラインを意識して運営しよう」と言う場合、このGOPのボトムラインを指しています。*厳密に言うとGOPの最終行をボトムラインとは言いません。PLのボトムラインと混同するので。
しかし事業再生するホテルや旅館の多くはオーナー企業である場合が多く、土地建物も先祖代々受け継いできたというところも多くあります。そのようなホテルオーナーにボトムラインを意識して下さい、と伝える場合は一般企業と変わらないPLを指しています。
ただ、そのようなホテルでもMGRクラス以上にはGOPを意識して貰い、オーナー社長や一族の方々にはPLでお話をする、等使い分けています。
では一般的にGOPはどのくらいが適正なのでしょうか。
一般的には「売上高に対する営業利益」をパーセンテージで表します。ビジネスホテル等ではかなり高い数値となりますが、宴会や婚礼を行っているシティホテル以上では一般的に20%以上が理想です。
そのため、例えば各部署のMGRが目指すその部署のGOPや、会社イベント企画の利益率は22%(例)など、そのホテルが目指すGOPより少し高めに設定していく必要があります。
ただこれを理解した上で、特別なご宴会や披露宴・イベント等の利益をコントロールすることはよくありますし、戦略的にも有りです。
GOPに限らずホテル運営に関する本はたくさん出ています。写真は私がホテリエになった頃に勉強した本です。すでに新版が出たり廃版になったりしているものもありますが、少し大きな本屋で探せばいろいろな本が出ています。自分がわかりやすいものを選んで読んでみたら如何でしょう。
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