19.02.10
ERRC ・・・ 自社価値をさらに上げるバリューイノベーション
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お取引先のお宿・お店での改善時、よく使うフレームワークがいくつかあります。その一つが今回取り上げる ERRC(エルック)です。バリューイノベーションを考える時に用い、「自社のコストを下げつつ、顧客が得られる価値を上げる」ことを考えます。相反することで一見難しいように見えますが、自社の業務を見直すにもいい機会です。ぜひ取り組んでみて下さい。
バリューイノベーションを考える時、4つのアクションを行います。この4つのアクションの頭文字から、ERRC(エルック)と呼ばれています。
【自社のコストを下げるアクション】
■ Eliminate(排除)・・・ 取り除いたり排除出来ること・ものは何か
■ Reduce(削減)・・・ 減らしたり削減できること・ものは何か
【顧客が得られる価値を上げるアクション】
□ Raise(増加)・・・ 増やせること・ものは何か
□ Create(付加)・・・ 新たに付加できること・ものは何か
一つ一つのアクション自体はさほど難しいことではありません。ただ重要なことは、どれか一つだけを行っても(バリューイノベーション的には)意味がありません。どうしても4つのアクションが無理な場合は、自社・顧客それぞれ1つずつでもトライして下さい。そのマイナスとプラスの両方のアクションがあって、初めてバリューイノベーションが起こります。
ホテル・旅館・飲食店においてどのように考えていくのか、簡単な例を挙げながら説明します。例えば、現在仕入れをしているパートナー企業とは別に新たな仕入れ先も開拓し、選択肢を増やすことによってコストの削減、また仕入れにかかる時間や日数を短縮することが出来るかもしれません。
同様に新たな仕入れ先を開拓することにより、同じ値段でより良い素材を仕入れることができ、お客様へ提供する料理のグレードアップ(お客様にとっては価値の向上)を図れる場合もあります。これまで提供出来なかった魚や肉を使うことが可能になるかもしれません。
また、保冷庫や温蔵庫を設置したり作業工程を見直すことで、そこに費やす時間を短くすることができます。その結果、いまいる人材であらたなプロジェクトを組み、新たな価値を生み出せるかもしれません。
この様に、バリューイノベーションとは自社・顧客両方にとってメリットがあった場合に発生するものであり、常にその両視点から考える必要があります。以前説明した ECRS と併せてアクションを起こすと、より良い結果を導き出せます。その章も参考にして下さい。
■ECRS ・・・ 事業や業務、そして自分の生き方も改善/改良する
https://delighting.co.jp/blog/ecrs/
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