24.07.30
群盲象を評す ・・・ 改善時に感じる各部署の立ち位置の違い
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「群盲象を評す」という言葉をご存じですか?私の祖父は目が全く見えなかったので、この群盲という言葉には少し抵抗があります。ただ、今回は慣用句として取り上げます。
これはインドに伝わる寓話を元にした言葉です。簡単な説明をChatGPTにまとめて貰いました。
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「群盲象を評す」は古代インドの寓話で、多くの盲人が一頭の象を触り、それぞれが触れた部分だけを基に象の全体像を語るという話です。この寓話は、人々が限られた情報や視点だけで物事を判断し、全体像を見誤ることの例えとして使われます。ビジネスや日常生活においても、複数の視点を取り入れ、全体像を把握することの重要性を教えてくれます。
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様々な企業の改善時、私たちはいつもこの言葉を思い出し、皆さんに伝えています。管理職だけでなく、特に部署の横つながりがあまりない一般スタッフさんたちは、自分が担当されている部署内容だけでホテルやお店の全体像を語られがちです。もちろんそれは当たり前で、何ら否定も非難もしていません。
私たちがこの言葉をあえてお伝えしているのは、自分たちが見えているのはホテルやお店の極一部であり、それだけで全体像を判断するのは危険だ、とわかって欲しいからです。
・宿泊部門は十分な成果を達成している。だからホテルは儲けているはずだ。
(でも、清掃部門はお部屋準備に十分な時間や人材を確保できず、四苦八苦しているかもしれない)
・ブライダル部門は絶好調。だから会社の利益はたくさん出ているはずだ。
(でも、そのために宴会部門は土日に会場が使えず、売上が伸ばせずにいる)
このような発言事例はたくさんあります。部署の責任者・スタッフですから、まずはそこに意識と責任を持つのは当然で、十分理解できる発言です。ただ、「それで全体像を推測するのは危険」ということを意識しておいて欲しいのです。いまの考えに加え、この寓話を元に全体像へのバランス感覚も持ち合わせて貰えたら、と思います。より視野が広がります。
「自分が見えている光景は、全体像の一部かもしれない」という意識を常に持つことは、ビジネスを行う上で非常に大切です。組織内の交流や配慮、興味の広がりにもつながる慣用句です。
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