20.02.07
中が見えないお店 ・・・ 機会損失/チャンスロス
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最近立て続けに飲食店の集客・売上UPに関するご相談を受け、共通して改善したことがありますのでコラムにまとめます。
いずれの飲食店も料理や接客に大きな問題はありませんが、売り上げが伸び悩んでいます。またリピーターのお客様が非常に多く、売り上げはリピーター様のご利用頻度/金額次第、という感じです。
これだけ聞くと「リピーター様に愛されるLTVの高い店舗」に思えますが、どの店も料理内容や単価面で週に何回も使うというお店ではなく、月数回の利用があればいい方です。各お客様のLTVは高くとも、トップライン・ボトムラインは上がりません。(LTVに関しては、最下段掲載の別コラムご参照)。そのため新規客を獲得し、リピーター様を増やすことが急務となっています。
各店舗個別の問題はそれぞれありますが、共通してあった問題点、それは「中が全く見えないお店」だったということです。入口にはフードやドリンクメニューが写真入りで掲示してあり、各店舗が想定するペルソナが躊躇するような価格帯ではありません。「価格の壁」ではなく、一番大きな問題点はやはり「中が見えない」という点です。(ペルソナに関しては、最下段掲載の別コラムご参照)
皆さんも経験上お分かりだと思いますが、なじみの店や通りから中の様子が見えるお店に比べ、中が全く見えない初めてのお店には少し抵抗を感じるものです。また、人によってはそれだけで大きな心理的負担を感じ、食事場所の選択肢から除外してしまいます。結局は「チェーン店でいいや」になってしまう要因の一つでもあります。
「一人だけど四人掛けの席しかなかったらどうしよう」「お客が男性ばかりだと嫌だな」「常連さんばかりの店だと居心地悪そう」「自分とはまるで違った客層の人ばかりだったらどうしよう」… など、店内での過ごし方を考える方も多くいらっしゃいます。
「中の見えないドア/入口/正面に窓無し」などのために、せっかく興味を持っていただいたお客様が入口で引き返し、機会損失/チャンスロスしていることが往々にしてあるのです。中で働く人はそのことに気づきにくいものです。
3年ほど前、同じような相談を受けた飲食店は入口を中が見える仕様に変更し、入口横の窓に貼ったメニューを剥がしたところ、来客者数は10%弱伸びました。対応したのはこれだけ、です。このお店はアーケード街にあり、入口以外は外から見えない造りになっています。古い店舗だったので、余計に「常連感」があり、中の様子が見えないことは新しい方にとっては大きな壁、敷居の高さになっていたようです。
最近ご相談を頂いた店舗さん数件は、これから中が見えるように扉を変更したり、季節が良い時期にはドア開放したりなど、できるだけ中が見える仕様(ウェルカム感)に変更します。また、経営的に費用ご負担が厳しい店舗さんでは、入口横に店舗内の写真・座席レイアウト(お一人でもご利用いただけるカウンター有)・オーナーご夫妻の写真などを掲示し、中の様子ができるだけわかるように検討・変更対応中です。オンラインで発信されている店も多いのですが、通りすがりの方はよほどの興味が湧かない限り、その場で検索まではしてくれません。店頭で立ち止まった時に、中が見えるか/見えなければ中の情報が店頭でわかるか、が重要です。
中が見えないということは、実は大きな機会損失・チャンスロスになっています。客観的に自社店舗外観を見つめなおしてみましょう。
なお、このコラムはあくまで「集客」「お客様の抵抗感軽減」にスポットを当てた内容であり、お店の雰囲気や目指す空気感は今回の内容では考慮していません。あえて中が見えないようにしているお店は、コンセプトとして当然ありです
「中が見えるお店」に関連して、「サバンナ効果」の記事もご参考になるかと思います。ぜひご覧ください。
サバンナ効果・・・光の効果で集客やお客様の動きを導き、注目を集める
https://delighting.co.jp/blog/savannah/
LTV・・・自社を愛して下さるお客様を逃さない
https://delighting.co.jp/blog/ltv/
ペルソナ・・・ビジネスにも自己成長にも「ペルソナ」は非常に有効です
https://delighting.co.jp/blog/persona/
フリー画像:SchmidsiによるPixabayからの画像
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