18.10.04
「一生懸命やっています」にどう答えるか?
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新人教育や中途採用の教育を頼まれた時、その人たちからよく「一生懸命やっているのに上司が認めてくれない」という言葉を聞きます。確かに「頑張っている」のでしょう。「一生懸命やっている」のでしょう。それ自体は認めてあげましょう。
ただ、このような発言をする理由はいくつか考えられます。
- 学校を卒業したばかりの人たちは、勉強や部活で「頑張る」ことを続けてきており、それが「認められる」基準になっている。
- 「頑張ってこれだけ成果を出している」という本人の自負が、「これだけは最低限やってほしい」という上司の目線まで達していない。
- 「一生懸命やっている」が「ミスが多く」、全体の結果として及第点があげられない。
- 長時間かければ誰でも出来ることを、ただ時間をかけてやり「やっと成し遂げた」という自己満足レベルになっている。
- アルバイトを経験していた人たちは「○時間働いた(会社に居た)」という「時間がお金に変わる」という感覚である。
その他、その会社によっていろんな要因があると思います。「一生懸命やっている」の様な発言を聞いた場合、なぜそういう言葉が出るのか精査しましょう。ここはESに関わる糸口です。一般的にこの人たちに共通して欠けているもの、それは「ビジネスをしている」「実際にお金を稼ぐことで給料が出る」という意識です。
もちろん、ブラック企業のような働かせ方は認めていませんし、勧めているわけではありません。ただ各社予算があり、それを達成することが最低限の使命 (毎月の給料がきちんと出る、ボーナスも出る)という意識付けは必要です。その会社に合った「うちの会社はどうやってお金を稼いでいるのか」「君たちはその中でどういう役割を果たしているのか」をきちんと理解してもらいましょう。また、総務や施設管理など、「直接的にお金を生み出す部署」ではなくても「この部署がなければ会社はお金を稼げない」はずです。
そこで「このような仕事をしてほしい」という、その人たちに合った「ゴール」と「マイルストーン (途中経過の目標、目印)」を明確に教えてあげて下さい。「君は最終的にここまで出来る。この時間までにここまでは到達しよう」等、具体的なゴール&マイルストーンを設定してあげましょう。
「一生懸命頑張っています」という意識が「自分の給料は自分で稼ぐ」に変わるまでには、非常に時間がかかると思います。ただ、サラリーマンではなくビジネスパーソンを育てることがマネージャークラスの役割です。上記を意識した部下教育に取り組んでみましょう。
写真:Pixabay · 魅力的なフリー画像 https://pixabay.com/
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