19.03.11
ウォント/コミットメント ・・・ 「やりたいこと」と「できること」をマッチングさせる
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以前購入した本「ビジネスフレームワーク図鑑」(株式会社アンド 著) の中に、「ウォント/コミットメント」〜メンバー同士の協力を促す〜 というページがありました。
事業再生の現場では、日常的に「やりたいこと」「やらなければならないこと」を洗い出し、それを誰が出来るかやどうやったらできるかなどに落とし込んでいます。この「ウォント/コミットメント」ではそれをフレームワークとして取り上げられており、私たちもそれまでランダムに書き出していたマッチング方法からこの本記載の方法に変更しました。
この本の内容も使いやすかった一方で、そのまま現場に共有しやすいよう当社なりの変更を加えたVer.を作成し使用しておりますので今回取り上げます。
事業再生に限らず、通常のビジネスや仲間グループでも「やるべきこと」が日々たくさん出てきます。個人タスクに落とせるレベルであれば淡々とこなせますが、会社として組織として取り組む場合、効率的かつ効果的な計画が必要です。その時にこのフレームワークを使ってみましょう。
まず左側の欄に「やるべきこと」を書き出していきます。項目が多い時はどんどんアルファベット行を増やしていって下さい。その時にできるだけ具体的に、やらなければならない詳細まで記載しましょう。
続いて右側の欄には「対応する人」「対応するハード」などを書いていきます。事業再生先でそこのスタッフをまだよく知らない段階では、そのスタッフが持っているスキルや特技、特徴も合わせて書いてもらいます。
右側・左側のそれぞれの欄が詳細に仕上がったら、両者を見比べて「マッチング」していきます。
例えば左側の欄に「インバウンド層に対応できるようなスタッフ環境を検討する」という項目があれば、右側の欄から「留学経験のある3番」「外資系ホテルでの勤務経験がある2番」など、アルファベットや数字をそれぞれの対応の欄に書いていきます。「障がい者の方にもご利用いただけるようにしたい」のであれば、右側から「手話のできる5番」「○○のセミナーを受けた4番」など、こちらも対応できることを選んでいきます。
このように、自社がやりたいことと自社のスタッフの能力をマッチングさせていくと、効率的に人や作業工程の配置ができます。このフレームワークの良いところは、それまで気づかなかった自社スタッフの特技やスキル、また応用・転用できるハード部分などがわかることです。
実は、スタッフの中にものすごい価値が眠っていることもよくあります。ある宿では、これで聾者団体のご宴会を頂いたことがあります。また、鉄道模型が好きというスタッフがいたので、閑散期の大広間に同じ趣味の人たちを集め、自由に設置・走らせてもらったこともあります。これは地元のニュースでも取り上げられました。
「自社の新たな財産」を見つける点でも、この右側は事前にやっておくのもお勧めです。実際の作業では、左側と右側の表を分離してアンケート形式で実施、その後に左右を合体させて見比べることがほとんどです。その方が、左右それぞれに集中でき、より詳細な内容が挙がってくることが多いです。
なにかの作業に対して誰かを配置する、なにかを割り当てる、という行為は日常茶飯事のことです。その際に、項目が多いプロジェクトなどこのフレームワークを使ってみてください。
これはフレームワーク全体について言えることですが、頭の中で考えるのではなく、目に見える形に落とし込み、またそれを他の人と共有することによりそこにまた別の意見やアドバイスが加わると、より良い結果へと昇華させることができます。
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