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ブルー・オーシャン戦略 ・・・ 自社独自の市場を開拓する

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*18.09.16 当社HPブログに投稿した「ブルー・オーシャン戦略」に非常に多くのアクセスを頂いておりますので、その内容を基にもう少しわかりやすく補足・追記した内容を再掲載します。

 中小企業が大手チェーンや他企業と正面から競うことなく、独自の戦略で他社と差別化を図るために様々な戦略を練る時「ブルー・オーシャン戦略」は有効な手段の一つです。これはW・チャン・キム氏とレネ・モボルニュ氏によって提案された経営戦略論で、同名の書籍も発売されています。写真は私たちの手元にある本ですが、現在は新装丁になっています。


 競合他社がうごめく既存市場でライバルたちとまともに戦う「レッド・オーシャン / 血で血を洗う競争の激しい赤い海」に対し、「ブルー・オーシャン / 競合相手のいない穏やかな青い海」の意味です。あえて競合の多い市場で闘うのではなく、同じ業種・職種であっても違う土俵を自ら創り上げ、その「ブルー・オーシャン」でお客様の支持を得る戦略です。

 この書籍の中ではわかりやすい事例として日本のQBハウスも取り上げられています。美容業界・理容業界では他社と差別化を図るべく、カリスマ美容師や各種付加サービス等高級路線への進化が一般的でした。これに対し、個人経営の店舗や中小チェーンでは少し安くすることで生き延びる戦略をとっている状況です。

 QBハウスは同じ業界でありながら「10分1,000円」(その後値上げされました)というこれまでにない短時間と低価格、余計なサービスを一切排除した戦略を打ち出し、一気に業績を伸ばしています。美容・理容は既に競合相手が多数いるじゃないか、と思われる方もいらっしゃると思います。QBハウスのブルー・オーシャン戦略は「短時間で散髪したい」「散髪前後のシャンプーなどいらない」「少しだけ、ここだけ切って欲しい」等、これまで他社が拾い上げなかった消費者のニーズ/ウォンツ/デマンドを洗い出し、その海へ独自の手法で船出したのです。現在は、混雑の状況を店舗入り口の信号機で知らせる、高齢者は少し割引、カットに使用したクシと紙製おしぼりの持ち帰りサービス、等さらなる独自のサービスを展開しています。

 事業再生先でこのブルー・オーシャン戦略を紹介すると「私たちにはとてもそんなことはできない」「思いつかない」「そんな規模ではない」等の言葉が出てきます。もちろん、そんな簡単に「全世界初のサービス」「革新的な取り組み」が生まれることはありません。

 ただ、エリアを絞って、例えばこの地域ではやられていない/他社が全くやっていないことはいくつもあるはずです。あるホテルさんでは、障がい者の方々やLGBTの方々への積極的な取組で他社とは違う客層を掴んでいます。厳密にいえばこれはブルー・オーシャン戦略とは違いますが、この戦略のエッセンスを小さなエリアに落とし込み、他社と差別化を図ることは出来ます。私たちはこれを「エリア・ブルー・オーシャン戦略」と呼んでいます。

 この本には、他のサーカスとは違った挑戦で独自の世界観を確立したシルク・ドゥ・ソレイユ、携帯電話で新たなサービスを確立したNTTドコモのiモードなどが紹介されています。他社とは違う自社独自の特徴や特色、サービスを提供する「ブルー・オーシャン戦略」は事業再生や経営改善には非常に有効です。一度じっくり考える価値はあります。


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