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心に潜む無駄な心配と無意味な過信

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事業再生先には、これからの展開や将来像に非常に大きな不安・心配をお持ちの方が多くいらっしゃいます。一般社会やプライベートでも同様に、将来に不安をお持ちの方も多いことでしょう。


私たちの経験上、事業再生先でのこの心配は大きく二つに分けられます。それは理由がわかっているので解決できる心配と、心配しても無駄な心配です。



例えば、集客が伸びない/売上が低迷している/競争が激化しているなどの心配は、原因を追究しそれに対して何かしらの対策を打つことができる心配です。そのために私たちにご依頼頂いたのでしょうから、これから解決できる内容です。


それに対して、極端な話、戦争が起こったらどうしよう/天災が起こったらどうしようレベルで心配されている方もいらしゃいます。これに関しては「無駄な心配」です。


もちろんリスクに備えて準備をすることは必須です。ここの部分は必要な心配です。ただ「○○が起こったらどうしよう」という心配は、自分たちで防げることではなく無駄です。


勘違いしないで頂きたいのは、天災などに対する準備が無駄、ということでは一切ありません。また例えば戦争反対など市民の声を上げる行動などの否定ではありません。私たちがここで取り上げているのは、ビジネスやプライベートでの気持ちの問題、常に心配し続けるのは無駄だ、ということです。


その意識や時間を自社の事業再生やお客様の満足度向上のため、またプライベートの充実に費やしたほうが、何倍も有効な思考と時間の使い方です。


心配していることが「自力で解決できそうなこと」であれば心配しながらも解決方法を探し、そして動く。「自力ではどうしようもないこと」であれば、十分な備えを行った後は「どうしようもないこと」なので忘れて他のことに時間と意識を使う。


この「心配の仕分け」が非常に大事です。この仕分けを自身で行い、頭の中に余裕を作りましょう。「無駄な心配」は無駄です。



また事業再生先には異常に「自分に自信を持っている役職者」がたまにいらっしゃいます。多分、どこの会社にも「あのレベルでマネージャーかよ」と言われている役職者はいらっしゃると思います。


もちろん、本当は実力があるが活躍できる場所がないという人もいらっしゃるので、一概にはまとめられません。


いろんな戦略・計画を立てていく時にいろんな発言をして頂けるのはありがたいのですが、その根拠や言葉の意味、意図するところを尋ねても答えられない人も多く、その人たちは自分の実力を過信しています。


過信は自分では気づいていないので過信です。自分はこんな実力を持っていると自信を持っていても、それは他人からみたら空回りのイタイ人、の場合も多々あります。


根拠のある自信はビジネスでもプライベートでも有効ですが、根拠のない過信は百害あって一利なしです。


私たちがこれまで出会った経営者や年長者の方々で尊敬できる人たちはみな、「自分はまだまだです」とおっしゃいます。以前のコラムで書きましたが、本気で謙遜されています。というより、本気でもっともっと自分を伸ばそうとされています。まだ伸びる余地が十分にあるので、自分はまだまだです、とおっしゃいます。


その気持ちが自分の中にあるか、それを皆さんも自問してみましょう。私たちも常に自問し、そしてまだまだだと常に痛感しています。


自分に自信を持つこと自体は良いことです。自信があるからこそ、新しいことにチャレンジしてみようと思います。また実際に動けます。


ただ、「自信+まだまだ」と思っているか、常に自分で自分を監督しましょう。


自分が出来る部分とまだまだな部分を洗い出し、常にそのまだまだな部分をブラッシュアップしていくことが重要です。


「無意味な過信」は自己成長を妨げます。

写真は私が尊敬している人物の一人、高杉晋作の像です。年に1,2回訪れて「自分はまだまだ」と反省する場所です。

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