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5W1H・・・トヨタ式/真の対応・解決方法を見つける

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プロジェクトの要点をまとめたり報告書を作る際に、必要事項を漏れなく記載するために5W1Hを意識しろ、とはよく聞く言葉だと思います。新社会人は上司や先輩から特に言われるのではないでしょうか。


簡単に通常の5W1H(2H)を別表にまとめておきます。
* この5W1Hは使用する場面によって順番は変わります。



今回取り上げるのはこの通常の5W1H(2H)ではなく、トヨタ式5W1Hです。これはトヨタ 元副社長 大野耐一氏によって提唱されたもので著書「トヨタ生産方式」に出てきます。


徹底して原因追及(why)することで本当の原因(真因)を洗い出し、真の対応・解決方法(how)を見つけるものです。


この本では生産ライン上のトラブルが例で上がっていますが、実際にあるホテルで起こったトラブル時にこのトヨタ式5W1Hを使用したことがありますので例としてお伝えします。



■■■ お客様から生ビールが臭い、飲めない、とクレームがあった。明らかに生ビールの品質が悪かった。■■■


【Why 1】・・・ 製造年月日を確認したところ、他の在庫と比べその樽だけだいぶ前のものであった。・・・ 但し、消費期限内であった。


【Why 2】・・・ 消費期限内で品質が変わっているということは開栓済ではないかと疑った。・・・ 確認したところ、その可能性がある様だ。


【Why 3】・・・ なぜ開栓済のものが紛れていたのか。 ・・・ 未開栓の物と使用途中の物が同じ場所に保管してあった。


【Why 4】・・・ 使用途中の物がなぜ品質が変わるほど放置されていたのか。・・・ 開栓済/未開封を十分に確認せず、そこにあるものをランダムに使用していた。開栓済が数点あった。


【Why 5】・・・ なぜ開栓済が数点あったのが。・・・ 生ビール樽の使用ルールが全く設定されておらず、一般従業員が何かしらのルールに則って使用することが出来ていない。


【How】・・・ 未開封の物は保管場所は後ろへ、開栓済の物は一番前へ&キャップ部分に開栓済とわかる印をつけ、それを最優先で使用する・・・等のルール化。


■■■ 例 ここまで ■■■



もちろん、5つのWhyでOKという意味ではありません。徹底して原因を突き止めることが本来の目的です。

上記には書いていませんが、並行してメーカーに品質調査や流通経路のチェックも行って頂き、正式な報告書も受け取りました。


上記の例は、トヨタ式5W1Hを使用せずにクレーム後の処理をした場合、極端な例では「開栓して品質が悪くなったんだろ。今後は新しいもの使おう」で終わっている可能性もあります。

毎回新しいものを使うこと自体はこのクレームに対する解決法の一つではありますが、コスト面など抜本的な解決法ではありません。



クレームや問題は表面上の理由だけでなく「なぜそれが起こったのか」「じゃ、それが起こったのはなぜか」「さらにその原因は?」と突き詰めていく意識を持ちましょう。

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