24.01.25
3S(接客・清掃・清潔感)…中小宿・店が闘えるフィールド
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私たちが中小のお宿・お店の方々からご相談を受ける際、「うちには特徴がない」「ごく普通のホテル・お店」「古い」「ボロい」などの声を聞きます。そう思われたからこそ、そしてそこに危機感を持たれたからこそ、弊社にご相談いただいたのだと思います。そのご縁には大変感謝しております。ありがとうございます。
煌びやかな設備、高級な料理、上品な仕草の接客スタッフやおもてなし etc。お気持ちはよくわかります。基本的に設備や食材原価など、「お金がかかる部分」では大手や有名店、ファンド系には敵いません。潔く諦めましょう。
ただ、中小宿・店の皆さんが彼らと対等に闘えるフィールドがあります。それは、私たちが3S(スリーエス、サンエス)と呼ぶ 【 接客・清掃・清潔感 】です。この改善には大きな経費は掛かりません。経営者やスタッフの意識次第です。さまざまなタイプの宿・店に関わってきた者としてお伝えできるのは、「人の能力には、さほど差はない」ということです。この3Sは、自分たち次第で(大きな費用をかけることなく)改善し、闘っていける/お客様に評価いただけるフィールドです。
個別に少し取り上げてみます。
■接客は、それだけで評価が大きく上下する項目です。例えば皆さんが美味しい食事を楽しみたい時、仮に料理が同じものであれば、感じの悪い店より温かく心地よい接客の店を選ぶはずです。また後者の料理が多少劣っていたとしても、接客が良いほうを選ぶ方は多いです。自らの体験を思い出してみて下さい。それくらい接客はお客様満足度に直結しています。
■清掃が徹底されていない宿・店には、そもそも「空間と時間が商品」という意識がない気がします。特に宿においては、素泊まりはまさに「空間と時間が商品」です。写真はあるビジネスホテルの棚やドア上です。私は、出張時にはできるだけその地元資本の中小ビジネスホテルにお金を落とすようにしています。もちろん比較の為に大手チェーンにも泊まりますが、設備の面で中小は劣っていることが多いです。そこで清掃まで負けていたら、勝てるところはありません。
■清潔感に関して、「うちはきちんと清掃している」とよく言われます。もちろん清掃は清潔感の一部です。ただ、他にもスタッフの制服が汚い、掲示物が曲がっている、シャワーカーテンのカビ、ラミネート加工の剥がれ、ガムテープでの補修、電話やテレビなどのケーブル類は軽くまとめる、洗濯後のカーテンは揃えて付けるなど、様々な部分で「清潔感を損なっている」部分があります。写真をご参照頂ければお分かりになると思います。これらを改善することも清潔感に繋がります。
上記のように、接客業にとって3Sは非常に大切なものであり、費用的なことから考えると、中小の宿・店でも他社と対等に、それ以上に闘えるフィールドです。真剣に取り組んでみてください。ちなみに写真はビジネスホテル7~8,000前後、観光系宿2食付 15~20,000前後のごく一般的な中小宿のものであり、特別安かったり評価が低かった宿を選んで撮ったものではありません。
なお、勉強や参考のために他社見学を企画される場合があります。その際の「効果的な視察の仕方」を、ぜひお試しください。大きな気づきがあるはずです。
①自社と同レベルで、口コミが「低評価の宿・店」を利用する。
②小さなことも含め、利用中に「気になったこと」リストをできるだけ多く書き出し、箇条書きする。
③翌日、今度は自社と同レベルで、口コミが「高評価の宿・店」を利用する。
④前日の「気になったこと」リスト項目を、その高評価宿・店と比較してみる。その殆どが見当たらないことに気づく
⑤自社に戻ったら、「気になったこと」リスト項目が自社にないかを確認する。また、自社には該当があって高評価宿・店にはなかった項目が、自社と高評価とのレベルの差であり、実力不足な点。その差を様々な場面・場所に落とし込み、改善のヒントにする。
①~⑤を意識して行うことで、非常に効果の大きい視察となります。ぜひお試しください。
3Sに関し、これまで各ブログの中で取り上げてきました。ただ、しっかりとお伝えすることが無かったので、今回は中小宿・店の強力な武器として改めてまとめました。
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