25.12.19
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100円ペンが非日常を壊すとき ・・・ 接客業における“道具の印象”
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お取引先のお宿さん、また少し価格帯の高い飲食店さんでは、スタッフが使うペンや、お客様に記入をお願いする際のペンについてよくお話しします。
これから宿泊料〇万円、コース料理〇万円をご利用いただく場面で、事務作業を連想させるような100円ペンをお渡ししていないでしょうか。あるいは、スタッフが目の前で安価なペンを使って重要事項を記入していないでしょうか。たとえば高級車を購入する際、契約書の記入で100円ペンを渡されたら、多くの方がどこか違和感を覚えるはずです。
ここでは、人気ペンの JETSTREAM を一例に挙げます。ホテルスタッフの中にも愛用者は多く、「3色必要だから」と単色ペンを胸ポケットに3本差している方もよく見かけます。ただそれを3色一本にまとめ、さらにほんの少しだけ上のグレードにするだけで、お客様が受ける印象は大きく変わります。
JETSTREAMの場合、写真は定価ベースで 165円 → 550円 → 880円 → 3,300円 です。見た目は違いますが、替え芯の単価はあまり変わらず、もちろん書き心地も大きな差はありません。
旅行や外食において、お客様は「非日常」を楽しみに来られます。私たち接客側は、できるだけ“事務的な印象”を感じさせない工夫をしたいところです。高価なものを使うべきという意味ではなく、「少しだけ見栄えの良いものを意識して選ぶ」、それだけで、空間全体の印象は確実に変わります。
今回はペンを例に挙げましたが、ホテリエが日々使うさまざまな備品や所作にも、同じことが言えます。自分たちは、お客様からどう見えているのか。それなりの価格をいただく場所、非日常を楽しみに来られるお宿やお店では、スタッフ自身もその空間を構成する一部です。ぜひ意識してみてください。
※その場にあったものを、というお話です。木造古民家の宿では、木製軸のペンなどもいいですね。安いペンの否定ではありません。普段の事務作業では、私も安いペンを愛用しています。
※ JETSTREAMのみを推しているわけではありません。あくまで一例です。自分のセンスで選びましょう。
※ 高級業態では、1万円を超える筆記具を自主的に使っているスタッフも少なくありません。




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