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知名度の差 ・・・ 有名観光地と知られざる名所

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事業再生先では「○○温泉は有名だから」「○○地域には△△という有名なスポットがあるから」「ここは田舎だから」等という言葉をよく聞きます。


富士山、姫路城、厳島神社など有名な観光地があるところにはそれだけで大きな集客力があり、そこは羨ましいと思っても当然です。



ただ、例えば熊本にある黒川温泉はどうでしょう。私はこの黒川温泉のある町で生まれ、その後引っ越しましたがそう遠くない町で育ちました。いま50歳ですが、小中高生の時に黒川温泉が有名だと思った記憶はありません。


どちらかといえばさびれたイメージを持っていたと思います。それがいまや全国区の人気を誇っています。


ここは独自の取り組みをされてそれがお客様にうけ、人気の温泉地となりました。その詳細は本やネットでたくさん紹介されていますので参考にしてみて下さい。



黒川温泉に行ったことがある人はお分かりになると思いますが、田舎です。阿蘇にありますが、阿蘇五岳(一般的に「阿蘇山」と呼ばれている場所)からは離れています。周りにいくつも温泉地があり、ここだけが特別な何かではありません。以前は全く無名の温泉地でした。また今でこそ福岡市内からの直行バスなども運行されていますが、以前は交通も大変不便な場所でした。



こんな事例を聞いても、まだコラム一行目の言葉が出ますか?黒川温泉は独自の取り組みをされて人気を得、多くのメディアに取り上げられてさらに有名になっていきました。これを再現することは出来なくても、参考にしたり部分的に真似したりすることはできます。


いろんな成功事例を研究し、その中から自社や自エリアにあった取り組みを抽出し、それを組み合わせて新たな流れを生み出してみましょう。



一般的に関東や関西のいろんな観光地や名所が有名なのは、メディア露出の多さが大きな理由の一つです。もちろんそれだけの魅力があることは大前提ですが、都会やその近辺にある名所と田舎の誰も知らない名所がそれぞれ同レベルの魅力を持っていたとしても、メディア露出の頻度が大きく違います。そこに差が生まれます。


「あの観光地は有名だから」と思っている皆さんの周りにも「知られざる名所」があるかもしれません。


「あの温泉地はお客様が多いから」と思っている皆さんのホテル・旅館も、PR次第では「大人気のホテル・旅館」に化けるかもしれません。



HP、インスタ、ツイッター、フェイスブックなど基本的なネット上PRはどこでも実施されています。ただその内容は十分とは言えません。「とりあえず発信」内容が多く、その内容が全く魅力的ではないのはもちろん、他社・他の観光地との違いを感じないものも非常に多くあります。また、どこのホテル・旅館、観光地もやっていることであり、情報発信しているつもりでは何の意味もありません。


以前はTVやラジオ、雑誌など大手メディアに頼らないと全国区の知名度を上げることは難しい時代で、TV局が自ら取材にくる大都市圏近隣の観光地には知名度で劣るのは仕方ない状況でした。



ただ、いまは自社から世界へ発信できます。各種SNSやHPを開設しただけで満足せず、本当に自社や地域のエリアの魅力、特徴、他にはない魅力を発信出来ているか再度確認してみましょう。


知名度を上げる、これはお客様に選んで頂く為には必須条件です。お客様の「知らないところ」はそもそも「選択肢にない」ところです。「知られざる名所」は知られないまま終わります。

写真は昨年訪れた南阿蘇の夕暮れです。

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