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障がい者の方々を対象にしたクリスマスパーティを開催しました

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18/12/24 ランチの時間帯に、あるホテルで障がい者の方々を対象にしたクリスマスパーティを開催しました。このホテルでは今年で3回目。リピーター様も非常に多く「もう恒例行事の一つ」とおっしゃって頂いた方も多くいらっしゃって、ありがたい限りです。


そもそもこの企画は、ホテルやレストランをご利用になる障がい者の方々やそのご家族・ご友人が、「もっといろいろ利用したいが、手を煩わせたり、騒いでしまってご迷惑をおかけするかもしれない」と、ご心配されていたことが発端です。では、そんな心配をされている方たちにお集まりいただけば、誰も気にせず楽しくすごせるのではないか?そんな気持ちで始めました。


3年前に障がい者を対象にしたクリスマスパーティを提案したところ、上層部やキッチンスタッフは「個別の対応は難しい」や「何かあったらどうする?」等、非常に消極的でした。もちろんその気持ちは十分にわかります。ただそれに対し、現場のキャプテンやスタッフの中には興味を示してくれる人たちも多くいました。

特にキャプテンたちとは「健常者へのサービスはある程度は誰でもできるようになる。どんな人たちに対しても同じようなレベルで同じようなサービスを提供できることこそが、本当のプロではないか」と、燃えていたのが懐かしいくらいです。


当日の朝、この会の準備をしていた時、出勤してきた若いバンケスタッフたちが「今日のパーティ、とても難しくない?」と話しているのが聞こえました。手配書を見たらそう感じるのは当然です。各テーブルに個別対応の方がいらっしゃったり、障害の内容やレベルが違う方々が会場内のいろんな卓にいらっしゃったり。また、アレルギーや刻みの大きさが人それぞれで、細かく指示・色分けされていたり etc

プロパースタッフたちとはもちろん事前共有していますが、アルバイトの人たちにはなぜこの様な会を開催しているのか、そしてここにお越し頂いているお客様はどんなお気持ちで来て頂いているのか伝えました。また、動き方がわからない時はキャプテンに相談したり、彼らの動きを見て勉強してみては?とも伝えました。この日は、アルバイトも普段から手伝ってくれている、スキルとマインドのある人たちを選びました。

実際に受付開始となると、その人たちの動きは一気に変わりました。お客様には聞こえないように「この方の誘導は私にさせて下さい」と言いに来てくれた人も。また視覚障がい者の方の誘導など、私がホテルエントランスから会場入り口までお連れした後、そこから先は引き受けてとにかく見様見真似でも自分でやってみようと、自らチャレンジする人たちもいました。普段はアルバイト感覚で働いてる人もいるでしょうが、今日のイベント担当で気持ちに変化のあった人も多かったに違いありません。


一般社会には、この様な取り組みを「障がい者を特別扱いしている」や逆に「食い物にしている」という人もいます。そう言われてもなんら気にもしません。お客様に満足して頂ける、それがすべてです。

私たちが目指しているのは「誰にでも同じレベルで同じように接客できるスキル」であり、そして障がい者の方々にも「何も気にせず、普通にご利用頂ける環境」です。

お客様にとって、今日を「特別な一日」「素敵な想い出」にして頂けたらホテリエとして最高に嬉しい、それに尽きます。それは障がい者であっても健常者であっても同じです。私たちが働いているホスピタリティ現場にお越し頂ける方々一人残らず全員!です。

そして私たち自身は「今日は特に努力した/工夫した一日」ではなく、毎日同じように誰かの「特別な一日のお手伝い」が出来るような、安定したスキルとホスピタリティマインドを継続できるホテリエでいたい。いや、そうあり続けます。


誰かの人生に一生の想い出を刻める仕事、私達がやっているのはそんな素敵な仕事です。

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